「抗体カクテル療法」東京都内で7割強が症状改善 陽性判明直後に投与へ仕組み整備

2021年9月4日 20時34分
抗体カクテル療法で使われる薬剤

抗体カクテル療法で使われる薬剤

 東京都内の医療機関で、主に新型コロナウイルスに感染した軽症者向けの「抗体カクテル療法」を行った1032人のうち約75%の患者の症状が改善したことが都のまとめで分かった。抗体カクテル療法は発症から7日以内に行うと効果が高いとされ、都は重症化リスクがある患者の陽性判明後にすぐに投与できる仕組みを整備する。
 8月上旬から9月3日にかけて抗体カクテル療法を行った都内147の医療機関に対し、都が聞き取りをして報告をまとめた。1032人の患者のうち約75%にあたる771人が、熱が下がったり、酸素投与が必要なくなったりし、退院できた人もいた。残る261人(約25%)は発熱などの症状はそのままだったが、重症化したケースはなかったとみられ、死亡者はいなかった。
 1032人のうち都立・公社病院で治療した102人中、症状が軽快した約8割の年齢層も調べた。40~50代が約51%と最多で、60代以上は約34%、20~30代は約15%だった。
 都は都民の城(渋谷区)に設けている酸素ステーションと、月内に開設する築地市場跡地(中央区)、味の素スタジアム内調布庁舎(調布市)の両酸素ステーションの3カ所で抗体カクテル療法を実施する方針。
 発熱症状のある人から相談を受けたかかりつけ医や都の発熱相談センターが検査と投与の両方を実施できる医療機関を紹介する体制を整える。基礎疾患などの重症化リスクのある感染者に、ただちに抗体カクテル療法を行えるようにする。
 そのほか、都の入院調整本部が感染者情報の共有システムから抗体カクテル療法が有効になりうる対象者を抽出し、本人が希望すれば療法を行える医療機関につなげるようにもする。
 小池百合子知事は「重症化で逼迫ひっぱくする医療提供体制の負荷軽減につなげる。早期の回復・軽快が可能になる」としている。(小倉貞俊)

 抗体カクテル療法 「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という薬剤を混ぜ、点滴で1回投与する治療法。軽症・中等症患者のうち、50歳以上や基礎疾患があるなど重症化リスクの高い人が対象。海外の臨床試験では入院や死亡リスクを7割減らす効果があった。厚生労働省は今月、これまで入院患者に限っていた投与について、宿泊療養者と外来患者も対象として認めた。

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