編集局校閲部 嶋崎 史崇「“正解”が見つからなくても諦めない」

2021年9月8日 09時30分
私は大学院で哲学を専攻し、人間にとって言語が持つ意味や限界について研究していましたので言葉を扱う校閲に縁があったのかもしれません。
アルバイトで小論文の添削をやっていたことも文章を吟味することに興味を持つきっかけになりました。

校閲の業務は、誤字脱字の修正作業にとどまりません。
記者ハンドブックに従って行う表記の統一、インターネットや過去記事データベース、事典類を用いた事実関係や固有名詞・数字の確認、地図や図表のチェック、見出しや写真説明の点検など、多岐にわたるものです。

私がこの仕事で特に難しいと感じるのは自治体や企業の公式ホームページなどの信頼できる情報源、いわば“正解”が見当たらない場合に間違いを見つけることです。
例えば予算に関する記事で、ある項目の金額が極端に少ない場合、常識を働かせたり過去の事例を参考にしたりして筆者側に問い合わせてみると入力ミスで0の数が違っていた、と判明することもあります。

他方、10年この仕事を続けていても行の境目で脱字や同じ文字の重複を見落としてデスクに指摘されるなどいまだに初歩的な失敗をすることがあります。
当たり前の作業を常に正しく行うのは難しいとかみしめつつ原稿をゆっくり、1文字ずつに分解して、何度も読み返すという基本に立ち返るよう心掛けています。
※執筆記者の所属は2021年8月25日時点のものです。

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