<ぱらぱらじっくり 教育に新聞を>自分で企画を考える 多彩な記事 メンバー充実感 

2021年9月7日 07時15分

紙面の最終確認をする朝読書新聞部のメンバーたち

 三年生たちの学級委員会新聞がエッセイストでタレントの小島慶子さんの著書『屈折万歳!』を特集したことは以前もお伝えしました(六月二十二日付「ぱらぱらじっくり」)が、実はそれとは別に、「朝読書新聞部」にも同じように『屈折万歳!』の特集を組めないかと名編集長の智(とも)さんに提案してありました。
 「分かりました」と即答してくれた智さん。でも智さんの頭には、別のアイデアがあったのです。
 それが判明したのは、彼女が部員たちを前に今回の『読書のすすめ新聞』について説明したときのことです。
 「今回、私たちは『屈折万歳!』ではなく、昨年の秋に小島さんが私たちのためにしてくださった講演会をメインに特集にしたいと思います」
 彼女のこの言葉を聞いた瞬間、「ついに自分で企画を考えることができるようになったのか」と感慨深い気持ちに私はなりました。
 なぜ講演会を特集しようと思ったのか。智さんによれば「三年学級委員会新聞を読んだときに、同じ本を特集するだけでは読者が飽きてしまうおそれがあるので、私たちは講演会の内容を中心に作ろうと思った」とのこと。今まで何度も編集長を務めた智さんの前向きさには脱帽です。
 完成した新聞には、講演内容だけでなく、自殺報道ガイドラインや足立区の自殺対策「生きる支援」の取り組み、さらには小島さんの小説『わたしの神様』を読んだ感想などさまざまな記事が掲載されており、読み応えのあるものに仕上がりました。
 メンバーの感想です。
 「文章を書くのは得意ではないが、とにかくたくさん書こうと努力した」(愛さん)
 「足立区のことを調べてみて、自分が区民なのにあまり地元のことを知らないと気づけた」(詩(うた)さん)
 「記事を書くために、小島さんが講演で紹介してくださった動画を何度も見て確認した」(実柚(みゆう)さん)
 「小島さんの小説『わたしの神様』と『幸せな結婚』を読んで記事を書いた。幸せって何だろうと考えるようになった」(智さん)
 「新聞づくりをきっかけに自殺問題について調べ、そのことに向き合い、深く考えることができた」(美玲(みれい)さん)
 それぞれ得たものがたくさんあったようです。
 しかし三年学級委員会新聞の編集長でもある虎康(とらよし)くんの感想は皆と異なり、「とても充実していたが、新聞の情報量が多すぎて、見栄えがいまひとつだったと思う」というものでした。
 そこで私は、智さんに「どうすれば見栄えがよくなるか考えてみよう」と次への宿題を出しました。 (東京都公立中学校主任教諭 穐田剛)

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