実刑判決でも衆院選に出られるの? IR汚職の秋元司議員 再選には高い壁

2021年9月7日 20時17分
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で実刑判決を受けた衆院議員秋元司被告(49)=自民党を離党、東京15区=は、刑事被告人の立場のまま今秋予定される衆院選に出馬の意欲を示している。過去には実刑判決を受けながら再選した政治家もいるが、壁は高い。(小沢慧一)

IR汚職事件の判決で、弁護団とともに東京地裁に入る秋元司被告(手前)。懲役4年の実刑判決を言い渡された=7日午前(代表撮影)

◆判決確定しない限り、被選挙権は維持

 「出馬についてしっかり準備をしていきたい」。判決前の6月、秋元議員は自身の保釈後の記者会見で、衆院選出馬について強い口調で報道陣に語っていた。弁護団によると、東京15区からの無所属での立候補を視野に、判決前も地元で街頭演説を続けていた。
 公職選挙法の規定では、政治や選挙に関連して有罪判決が確定すると首長や議員は失職し、収賄などでは刑を終えてから10年の間、被選挙権が停止される。だが、判決が確定するまでは失職せず、被選挙権も維持される。
 故田中角栄元首相は1948年、炭鉱の国家管理に絡む疑獄で逮捕、起訴されたが、翌年の衆院選で勾留されたまま立候補し、当選。後に東京高裁で逆転無罪となった。76年のロッキード事件は93年に死去するまで裁判が続いたが、79年に再び当選。その後も自ら引退する90年まで全ての選挙で勝利し、議員を続けた。
 
 鈴木宗男参院議員は、受託収賄事件などで2010年に実刑判決が確定して失職。その間に2度、衆院議員に当選している。選挙の強さから「無敗の男」とも呼ばれる中村喜四郎衆院議員も、1994年のゼネコン汚職事件での逮捕から、2003年の実刑判決確定による失職までに2度、再選を果たした。

◆「再選できたのは地元の信頼厚い人たちばかり」

 有罪判決を受けても再選の道は閉ざされていないが、慶応大の小林良彰名誉教授(政治学)は「判決確定までは『推定無罪』だが、刑事裁判中の候補者を有権者がどう判断するかは別問題だ」と話す。「ヤバい選挙」(新潮新書)などの著書がある作家の宮沢暁さんは「再選した議員たちは地元支援者たちの信頼が非常に厚かった人たちばかりだ。秋元議員が当選するには有権者が本当に納得できる説明が必要だろう」と語った。

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