圧勝再選 大井川知事を与党けん制 「謙虚に耳を傾けて」 1期目「思い付き」で議会と何度も衝突

2021年9月8日 07時56分

知事選投票日の5日夜、大井川和彦氏の選挙事務所に集まった自民党の県議ら=水戸市笠原町で

 大井川和彦知事が約六十六万票を獲得して再選した知事選。数の上では圧倒的な信任を得た形だが、推薦した各党の県議らは早速、「(県議会の意見に)謙虚に耳を傾けてくれれば良いが…」とけん制する。一期目は最大会派「いばらき自民党」とたびたび衝突し、大井川氏の調整不足が露呈する場面が目立った。二期目も議会対応がカギを握りそうだ。(宮尾幹成、保坂千裕)
 大井川氏が再選を決めた投開票日の五日夜、喜びに沸く水戸市の選挙事務所には、推薦した自民、公明、国民民主の「知事与党」の県議が顔をそろえた。
 県議の一人は、大井川氏の仕事ぶりを「判断が速く、コロナ対策はよくやっている」と評価する傍ら、「誰と相談して意思決定しているかが見えない」と苦言も呈した。
 この県議が一例に挙げるのが、二〇一九年、JR水戸駅構内にオープンした県産日本酒の立ち飲みスタンド「いばらき地酒バー」だ。他県での同様の取り組みを見た大井川氏が、予算の裏付けがないまま推進し、財政当局は財源の確保に追われたという。「自分のアイデアに自信があるから、思い付きでやりたいと言い出す。理由や予算は後付けだ」
 大井川氏の「アイデア」は、何度も自民県議らの不興を買ってきた。
 二〇二〇年度当初予算案の審議では、アクアワールド県大洗水族館(大洗町)でジンベエザメを展示する新館整備事業に自民が難色を示し、本県では七十一年ぶりの減額修正という事態を招いた。
 一方、性的少数者のカップルを公認する「パートナーシップ宣誓制度」を巡っては、実現に強いこだわりを見せた大井川氏が、条例化に「時期尚早」と反対する自民を振り切り、条例制定の必要がない「要綱」による導入に踏み切った。
 大井川氏は一期目最後の定例記者会見の際、四年間の県政運営を「百点満点」と自己採点している。今回の知事選で圧勝した大井川氏が、二期目に向けて自信を深めたのは間違いない。
 だが、別の県議は「(大井川氏が)自分で段取りした選挙ではない」とぴしゃり。選挙運動を支えた推薦各党への配慮を求める。
 自民が大井川氏を推薦するに当たり、県議団の一部には慎重論もあった。大井川氏の議会との付き合い方次第では、自民にくすぶる不満の火種が再燃する可能性もある。
 大井川氏は二十六日から二期目の任期に入る。

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