「水村家住宅」解体始まる 江戸中期の川越の町屋建築、保存ならず

2020年4月27日 02時00分

解体作業が始まった「水村家住宅」=川越市で

 川越市喜多町で江戸時代中期に建てられた町屋(商家)の「水村家住宅」の解体工事が二十四日、始まった。
 水村家住宅は関東最古級の町屋建築とされ、建築史家らから、一八九三年の大火で大半が焼失する前の城下町の姿を残す貴重な建物とされていた。水村家は江戸時代に町名主を代々務め、多くの文書が市立博物館に保存されており、「古文書と建物が同時に残るまれなケース」とも評価されていた。
 水村家の子孫で今年に入って市に移転保存を求める署名運動を始めていた水村圭子さんは「協力してくれた市民に感謝したい。運動が間に合わず、非常に残念」と話した。
 市に保存を要請してきた全国町並み保存連盟の福川裕一代表理事は「川越市で貴重な建築物の喪失が続いていることは残念だ。現地での保存が難しいことは分かっていたが、川越市には部材保存や移転場所の確保などで市民と協働する、新しい文化財保存のリーダーシップをとってほしかった」と話している。 (中里宏)

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