チェコ学生がコミックで描いた 杉並の日常の風景 区立郷土博物館分館で企画展
2021年9月9日 07時23分
チェコの大学生が、杉並の風景をコミックとして表現した「IOGI(井荻)〜チェコ若手アーティストが描く杉並〜」が、杉並区立郷土博物館分館で開かれている。杉並の日常の風景が新しい感覚で描かれている。(砂上麻子)
チェコでは、コミックが日本のようなサブカルチャーではなく芸術の一分野として発展。日本の漫画のようにセリフが吹き出しになっているもの以外に絵だけで構成されたものなど、見る人の想像を刺激する作品が多いという。
展示されているのは、コミックを学ぶ国立西ボヘミア大学の美術専攻の学生二十人による六作品七十点。区内の公園で遊ぶ子どもたちやごみ収集員、スポーツセンターで出会った親子といった日常が描かれている。複数の絵で物語風に一つの作品を構成するなどしている。
「Iogi」という作品は、井荻駅や駅前交番、銭湯などを柔らかいタッチで表現。また「突き抜けて」は、玄関先に伸びる木が年を重ねて成長する姿を描いている。
チェコのコミック作家で画家のヴァーツラフ・シュライフさんが、自らが指導する同大学の学生たちに、異文化地域を研究した上でコミックを制作するという課題の第一弾として日本を選んだ。
同区在住の作家ジャン=ギャスパール・パーレニーチェクさんが書いた原案を基に、学生たちは創作に取り組んだ。杉並の写真を見たり、日本文化の講義を聞いたりして参考にしたという。
博物館学芸員の森泉海さんは「見慣れた風景がチェコの人にはどんなふうに見えているのか感じてもらいたい」と話す。
同展は二十六日まで。観覧無料。開館時間午前九時〜午後五時。十三、十六、二十一日は休館。
問い合わせは分館=電03(5347)9801=へ。
おすすめ情報