台風15号きょう2年 病院 停電、断水に備え 避難所で職員感染のリスク

2021年9月9日 07時38分

2019年10月、台風15号に続き19号で再び停電した中原病院の人工透析室=いずれも南房総市で

 千葉県内の広範囲で大規模な停電や断水に見舞われた二〇一九年九月の房総半島台風(台風15号)では非常用電源の確保が難航し、医療機関でも対応などに追われた。九日で二年を迎え、有事への備えは進んだ一方、新型コロナウイルスの感染拡大など新たな課題も浮上し、不安を募らせている。(山口登史)
 当時、約百人の入院患者がいた南房総市の中原病院では、一九年九月九日未明から同十二日夕方まで三日間停電し、市の浄水場で発電機が燃料不足になった影響で、同十一〜十五日まで断水した。非常用自家発電機の燃料を確保するために近隣のガソリンスタンドを奔走する一方、水産業者から提供してもらった氷で熱中症対策をするなど対応に追われた。
 理事の座間弘枝さん(50)は「停電や断水がもう少し長引き、暑さが続いたら、と思うとぞっとする」と振り返った。被災後は非常用自家発電機も容量を拡大。携帯型の発電機も新たに十五台を追加するなど備えの強化を進めている。

中原病院が新たに設置した非常用発電機

 県によると、南房総市では全壊百二十二棟、半壊九百八十九棟、一部損壊五千六百十二棟の住宅被害となった。市は七カ所の避難所を設置し、中原病院でも利用した職員がいた。
 二年前と異なるのは、新型コロナウイルスの感染拡大による病床逼迫 (ひっぱく)で自宅療養者が増えていることだ。県は個人情報保護の観点から、市町村に対して、自宅療養者の個人情報を提供していない。県内の一部の自治体からは、県に対し、情報共有の要望が出ており、県が対応を検討しているという。今月上旬、県に要望書を提出した茂原市は「災害時に避難所を開設した際に、市町村が自宅療養者であることを把握することができず、感染が拡大する恐れがある」と危惧する。
 同病院では現在、職員は密閉された部屋から伸びたゴム手袋で患者と接することなく検査できるが、職員が利用した避難所などで感染者が出た場合、複数人が濃厚接触者として長期間勤務できなくなることになる。座間さんは「職員がいなければ対応すらできない。患者の命を守るためにも、寄り添った対応をしてほしい」と話した。

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