参拝客との「ハチ密」回避 常総の神社 ちょうず鉢の縁に水飲み場

2021年9月9日 07時47分

ミツバチが群がる水飲み場=常総市大塚戸町で

 県西地域有数の神社「三竹山一言主(ひとことぬし)神社」(常総市大塚戸町)のちょうず鉢の一角に設けられたミツバチ専用の「水飲み場」が話題になっている。お清めする参拝客とハチの交錯を避けるのが狙いだ。(出来田敬司)
 水飲み場は、禰宜(ねぎ)の大塚裕一さん(57)らが竹を使って手作りし、ちょうず鉢の縁に二つ置かれている。長さ三十センチほどの半割竹の空洞部分にこけと小石が盛られ、こけが湿る程度の水を細竹で引き込む。大塚さんは「水量が多いとハチがおぼれて死ぬことがある」と説明する。
 大塚さんによると、ミツバチ専用の水飲み場を初めて設置したのは五年ほど前。参拝客から「ハチが多くて刺されそうで怖い」などとの苦情を受けたのがきっかけだった。
 設置に当たっては試行錯誤を重ねた。最初は、陶器製の水飲み場をちょうず鉢から一メートルほど離れた場所に置いた。しかし、ハチはなかなか水飲み場を利用しようとせず、縁の部分に移動すると、ようやく寄ってくるようになった。陶器製が割れてしまったため、今年七月中旬に竹製に新調した。
 ハチは、近くに生息している養蜂のセイヨウミツバチだ。晴れた日の正午ごろ、気温が三〇度を超えると、高周波の羽音を響かせながら手水舎の周りにやってくる。ミツバチは水を飲んで巣に帰り、熱くなった巣を冷やしたり、みつを薄めて幼虫に与えたりしているとされる。危害を加えなければ、人を刺す恐れはないという。
 今夏も、水飲み場に群がるハチの姿をカメラで狙う人たちでにぎわった。
 常総市水海道森下町の設計士船本利朗さん(76)は「ここの神社は、初詣や交通安全の祈願でお参りしているが、ハチが水を求めてやってくるとは知らなかった」と驚く。水戸市の主婦(47)は「神社がハチを駆除することなく温かく見守っている。こちらも優しい気持ちになりますね」と喜んでいた。
 同神社は平安時代の八〇九(大同四)年の創建。「一言願えば良きにつけ良からぬにつけ、御利益がある」との言い伝えがある。社殿は、室町時代の一四五九年に再建され、江戸時代中期に大修理があった。例年九月の例大祭で、花火と人形芝居を組み合わせた伝統芸能「からくり綱火」(県指定無形文化財)が催されることで知られる。

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