「退陣説明会見」挙手多数も1時間で打ち切り…本紙はまたも指名されず【会見詳報】

2021年9月9日 23時18分
東京、大阪など19都道府県の緊急事態宣言の延長を決定し、記者会見する菅首相

東京、大阪など19都道府県の緊急事態宣言の延長を決定し、記者会見する菅首相

 菅義偉首相の9日の記者会見の詳報は次の通り。
【冒頭発言】
 全国各地で感染者はようやく減少傾向をたどっているが、重症者数は依然として高い水準が続いている。昨日の専門家による提言では、緊急事態宣言の解除に関する考え方が示された。病床使用率が50%を下回っていること、重症者、新規感染者、自宅療養者の数が減少傾向にあること、ワクチン接種の効果などを総合的に検討することとされ、これを踏まえて判断した。
 首相に就任して1年がたつが、新型コロナとの闘いに明け暮れた日々だった。国民の命と暮らしを守る、この一心で走り続けてきた。大変な尽力をいただいている医療、介護をはじめとする関係者、国民の協力に心から感謝を申し上げる。
 この1年間、多くのことを学んだ。1つはウイルスの存在を前提に新たな感染拡大への備えを固め、同時にウィズコロナの社会経済活動を進めていく必要があるということ。もう1つはワクチンは効くということだ。1日100万回接種を非現実的と疑問視する人もいたが、接種加速化の取り組みは間違いではなかった。
 自民党総裁選挙が始まろうとしている。新型コロナ対策と多くの公務を抱えながら総裁選を戦うことは、とてつもないエネルギーが必要だ。12日の宣言解除は難しいと覚悟するにつれて、新型コロナ対策に専念すべきだと思い、総裁選に出馬しないと判断した。いま首相としてやるべきことは、この危機を乗り越え、安心とにぎわいのある日常を取り戻す道筋をつけることだ。
 医療体制をしっかりと確保し、治療薬とワクチンで重症化を防ぐ。病床、ホテルに加え、全国で酸素ステーション、臨時の医療施設などいわゆる野戦病院を増設する。自宅で療養する方には身近な開業医が健康観察や入院の判断を行い、必要な医療が受けられる体制をつくる。中和抗体薬は既に2万人以上に使用され、目覚ましい効果を上げている。重症者をさらに減らすため、全ての必要な患者に投与できる体制をつくっているところだ。
 10月から11月の早い時期には希望者全員のワクチン接種が完了する予定だ。宣言等の地域であっても、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用し、制限を緩和していく。認証制度も使い、飲食、イベント、旅行などの社会経済活動の正常化の道筋をつける。その間も影響を受けている方々の事業と雇用、暮らしを守るための支援に万全を期す。
 一連の対応を通じ、感染症対策に関するさまざまな問題が浮き彫りになった。病床や医療関係者の確保に時間がかかる。治療薬やワクチンの治験や承認が遅く、海外よりも遅れてしまう。緊急時でも厚生労働省をはじめ省庁間の縦割りや国と自治体の壁もあり、柔軟な対応が難しい。こうした課題を整理していく。
 国民にとって当たり前のことを実現したい。この1年、そうした思いで長年の課題に挑戦してきた。(東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した)ALPS(多核種除去設備)処理水も安全性確保と風評対策を前提に海洋放出を判断した。東京オリンピック・パラリンピックの開催にはさまざまな意見もあったが、開催国として責任を果たし、やり遂げることができた。
 全てをやり切るには1年はあまりにも短い時間だったが、子どもや若者、国民が安心と希望を持てる未来のために道筋を示すことができたのではないか。首相として最後の日まで全身全霊を傾けて職務に全力で取り組む。
菅政権のコロナ対策、問題点と対策は
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