「戦争×コロナ」時代超えた学生の美術展 18、19日にオンライン開催 「よりよい生き方模索を」

2021年9月14日 12時00分
 東京都内の大学に通う学生や卒業生のグループ「コエテコエ」が、戦没した画学生と現代で美術を学ぶ学生双方のオンライン作品展を18、19両日に開く。戦没画学生がのこした絵を展示する長野県上田市の「無言館」で8月に開かれた作品展の再現で、新型コロナウイルス禍の中、多くの人に見てもらいたいとの熱意が、学生たちを動かした。(小松田健一)

8月に無言館で開かれた作品展とコエテコエのメンバー=長野県上田市で(コエテコエ提供)

◆「会いたい人に会えない」共通点

 コエテコエは「時代、国境、性別、障がい等のあらゆる壁を越えて、声にする」をスローガンに掲げ、4月に代表の下村えりかさん(22)=中央大=と、友人の女性5人の計6人で結成。社会問題に関心を持ち、これまでハンセン病療養所などを取材してきた。
 今回のオンライン作品展は、下村さんが無言館の窪島誠一郎館長と親交があったことが縁となり、同館が先月19~29日、会員制交流サイト(SNS)を通じて募集した美術を学ぶ学生の作品18点と、無言館にある戦没学生の作品を同時に鑑賞できるようにした。
 テーマは「戦争×コロナ」。コロナ禍は「行きたいところに行けず、会いたい人に会えない」といった、第2次世界大戦中の人々の状況と重なるとの着想からで、何らかの形でコロナをテーマにした作品が多かったという。
 ただ、緊急事態宣言が発令中では多くの来訪を望めなかった。そこで、Zoom(ズーム)を利用し、プロのカメラマンが撮影した作品を公開するオンライン展を企画した。コエテコエのメンバーが解説し、参加者と意見交換するトークセッションも用意している。

◆時代のせいにしない

 下村さんは、コロナ禍で活動に大きな制約を受けている若者が交流する場にもしたいと考えている。「時代のせいにするのではなく、よりよい生き方をみんなで模索する場になればいいと思う」と話した。

オンライン取材で作品展の狙いなどを語る代表の下村さん(左)と副代表の増岡さん

 副代表で早稲田大OGの増岡香帆さん(23)は「過去と現代の若者のエネルギーを鑑賞する人に受け取ってほしい」と参加を呼びかけた。
 オンライン作品展は18日が午前11時と午後8時、19日が午前11時と午後7時からで、無料。定員は各回20人程度。申し込みはコエテコエの公式サイトから。多くの人に鑑賞してもらえるよう、今回の出品作や無言館の展示作の動画配信も検討している。

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