合流1年立民に危機感 コロナ下選挙で連勝も支持伸びず 自民総裁選に埋没… 

2021年9月15日 06時00分
 政権選択の一翼を担うことを目指し、旧民主党の議員らが再び結集した立憲民主党は15日、結党1年を迎える。新型コロナウイルス対応では、野党第1党として政府に対する追及などで存在感を示し、各選挙で「批判の受け皿」となって勝利を積み上げた。だが、菅義偉首相の退陣表明による自民党総裁選のあおりを受け、間近に迫った衆院選に向けては必ずしも支持拡大に結び付いていない。埋没への危機感もにじむ。(我那覇圭)

◆硬軟両様示してきたが…

立憲民主党アベノミクス検証委員会であいさつする枝野幸男代表(左)。右は講演講師を務める立教大学特任教授で慶応大学名誉教授の金子勝氏=14日、衆院第2議員会館で

 立民の福山哲郎幹事長は14日、旧立民、旧国民民主などの合流から1年を前に「多くの仲間が集まり、220人近い衆院選の候補者を擁立できる政党になった。各選挙でも有権者の支持をいただき、菅内閣を(退陣に)追い込めた」と記者団に成果を誇った。
 昨年9月15日に結党し、衆参で150人規模の勢力になった立民。この1年、同時期に発足した菅政権と対峙してきた。コロナ対応では、首相らがこだわった観光支援事業「Go To トラベル」に警鐘を鳴らし、徹底的な感染封じ込めと十分な補償をセットにした独自の「ゼロコロナ」を提唱した。
 一方、今年初めには、コロナ特別措置法の改正で与党に協力。入院拒否者らに適用する刑事罰の導入に反対し、行政罰への修正に持ち込むなど、政権担当能力もアピールする硬軟両様の姿勢を見せてきた。

◆菅氏退陣で風向き変わる


 感染状況への楽観的な見通しから、緊急事態宣言の発令と解除を重ねた首相に対する国民の失望感を背に、野党各党との協力もあって4月の衆参3選挙や千葉、静岡などの県知事選、首相のお膝元の横浜市長選で勝利。枝野幸男代表は首相の退陣表明に先立つ本紙のインタビューで「政権を担った経験があるからこそ、同じ失敗をしないと自信を持って言える」と政権奪取に意欲を示していた。
 だが、約4年ぶりに国民の審判を受ける衆院選直前になって、風向きが変化。自民党側は新総裁・首相誕生後の「ご祝儀相場」のうちに衆院選へなだれ込む。共同通信の直近の世論調査では、比例代表の投票先は自民党43・4%、立民17・3%と差は開いたまま。小選挙区では、共産党などとの一本化という課題もあり、批判の受け皿として支持を集める戦略は練り直しを迫られている。

◆格差是正で差別化図る

 党幹部は「相手が総裁選で浮ついている間も政策を訴える」と強調。14日、新たに「アベノミクス検証委員会」を立ち上げた。委員長に就任した江田憲司代表代行は初会合で「お金持ちをさらにお金持ちにし、強い者をさらに強くしただけだ」と第2次安倍政権以降の経済政策を批判した。
 アベノミクスに照準を合わせたのは、株価上昇という「成果」ばかりが喧伝され、中・低所得層への恩恵が乏しいとみているからだ。立民は綱領に「公正な配分により格差を解消する」と明記。賃上げなど働く人を重視した政策も掲げており、自民党との差別化を図りたい考えだ。
 枝野氏は会合で「アベノミクスをどう評価し、どう対応するかは、政治・経済・社会のあり方について(考える上で)大変大きい」と語った。衆院選に向けて「負の側面」を浮き彫りにして、争点化を狙う。

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