茨城県内メガソーラー設備容量 福島事故10年、普及着々 原発1基分超150万キロワット稼働

2021年9月15日 08時00分
 東京電力福島第一原発事故から十年が過ぎ、茨城県内で稼働する千キロワット(一メガワット)以上の大規模な太陽光発電施設「メガソーラー」の総設備容量が、原発一基分以上に達していることが分かった。メガソーラーは、遊休地を利用するなど地域活性化に一役買う一方、景観破壊や土砂災害につながるとして地元住民とあつれきを生んでいる事例もある。(宮尾幹成)
 資源エネルギー庁の二〇二〇年末時点の資料によると、福島原発事故後の一二年にスタートした再生可能エネルギーの固定価格買い取り(FIT)制度の認定を受けて稼働するメガソーラーは六百十九件(一部はFIT以前の旧制度による認定)で、電気出力は計約一五一・五万キロワットに上る。
 季節や天候に左右される太陽光は、安定的な発電はできないとはいえ、設備容量だけ見れば東海村にある日本原子力発電東海第二原発の一一〇・〇万キロワットばかりか、国内の原発で最も出力が大きい中部電力浜岡5号機(静岡県御前崎市)の一三八・〇万キロワットをも上回る規模だ。
 市町村別では、件数は稲敷市が四十五件で最も多く、合計出力は日立市の約一四・一万キロワットが最も大きい。
 このほか、FIT認定を受けたものの事業を始めないまま、長期間経過しているメガソーラーが百三十三件(計約六〇・五万キロワット)ある。大部分は、買い取り価格が高く設定されていた制度施行当初に認定を取得し、「売電権」の転売を狙ったケースとみられる。
 市町村別では、件数は桜川市が最多の十五件で、合計出力は七・八万キロワットの高萩市が最大となっている。
 こうした「未稼働案件」を巡っては、電気を電力市場に送る送配電網の容量は押さえているため新規参入が阻害される▽電気料金に上乗せして課される「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の負担増加につながる−といった問題がたびたび指摘されてきた。
 二二年四月に施行される新制度では、長期にわたり事業に着手していない発電所のFIT認定を一定の条件で失効させる仕組みが導入される。
 政府が今秋の改定に向けて発表した「エネルギー基本計画」の案では、三〇年度の電源構成に占める再生可能エネルギーの目標比率が、現行の22〜24%から36〜38%に引き上げられる。FITの買い取り価格は入札制の導入などでさらに下がっていくため、今後は自家消費型の小規模施設の普及が進むと見込まれている。

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