山姥切国広 足利市立美術館で5年ぶり公開 来年2月、長尾氏焦点の特別展

2021年9月15日 08時04分

5年ぶりに再公開される「山姥切国広

 文化・芸術のまち、足利市の礎を築いた戦国時代の領主、足利長尾氏に焦点を当てた特別展「戦国武将足利長尾の武と美−その命脈は永遠に」が来年2月11日〜3月27日、足利市通2の同市立美術館で開かれる。同市制100周年事業の一環で展示作品は100点。刀剣ファンに人気の「山姥切(やまんばぎり)国広」(堀川国広作、国重要文化財)が5年ぶりに再公開される。(梅村武史)
 長尾氏は平家の一族。上杉家の重臣、景人(かげひと)が一四六六年、足利に代官として赴任して以後、定景、景長、憲長、政長、顕長(あきなが)と六代約百二十年支配した。一五九〇年の豊臣秀吉の小田原攻めの際、顕長は北条側について敗れ、領地を没収された。
 注目の「山姥切国広」は刃長七十センチ、刀銘は「九州日向住國廣(ひゅうがじゅうくにひろ)作」。国広が足利滞在中の一五九〇(天正十八)年、顕長のために作刀した。国広が造った最も優れた一口とされる。顕長の後に刀を手に入れた北条家遺臣の石原甚左衛門が信州小諸で老女の妖怪を斬り殺したというエピソードが、山姥切の由来とされる。
 また、足利出身の狩野派の絵師、狩野興以(こうい)の「猿猴捉月図(えんこうそくげつず)」、足利学校の九代目庠主(しょうしゅ)(校長)の三要が徳川家康から与えられた「伏見版木活字」なども展示される。

足利学校の9代目庠主三要が徳川家康から与えられた「伏見版木活字」(いずれも足利市提供)

 オンラインゲーム「刀剣乱舞」に、擬人化した人気キャラとして山姥切国広が登場することから、刀剣女子と呼ばれる若者にも注目されている。二〇一七年に同美術館で公開された際は三万七千八百二十人が入場、経済効果は約四億二千万円に上った。
 今回は新型コロナウイルス対策として、時間ごとに入場人数を制限するインターネット予約制を導入する。受け付け開始は十二月ごろの予定。
 片柳孝夫館長は「現在に続く足利文化の土壌は、長尾氏支配の時代に育まれた。企画を通じてその源流をたどり、地域を見直す機会になれば」と話している。

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