唯一県庁所在地にある島根原発2号機が新基準適合 再稼働審査で規制委

2021年9月15日 11時08分
 原子力規制委員会は15日の定例会合で、中国電力島根2号機(松江市)の事故対策が新規制基準に適合するとした審査書を正式決定した。東京電力福島第一原発事故後にできた新基準に適合したのは10原発17基目。中国電は対策工事を2021年度中に終える予定で、それ以降の再稼働を見込んでいる。再稼働には、島根県と松江市の同意を得る必要がある。

島根原発2号機(左)と廃炉作業中の1号機=2021年5月25日、松江市で

 規制委がまとめた審査書案については、国民からの意見公募(パブリックコメント)が6月24日~7月23日の1カ月間実施され、156件の意見が寄せられた。
  島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地。避難計画の策定が義務づけられる30キロ圏内には島根、鳥取両県の6市があり、人口は約45万7000人。そのうち、寝たきりの高齢者や障害のある人ら避難時に支援が必要な住民は約5万2000人。30キロ圏内人口が約94万人と最多の日本原子力発電東海第2原発(茨城県)周辺の要支援者約3万8000人を上回り、避難計画の実効性が課題となっている。
 政府は9月7日、島根原発で事故が起きた場合の住民の避難計画について了承。隣接する広島県や岡山県への避難も想定している。
  中国電は13年12月に規制委へ審査を申請。審査では、原発近くの宍道断層の長さを申請時の22キロから39キロに見直し、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)を引き上げた。最大の津波高さも、申請時から2.1メートル高い11.9メートルを想定し、海抜15メートルの防潮堤を建設した。
 中国電は15年に1号機の廃炉を決め、18年には建設中の3号機の審査を申請。3号機はほぼ完成しており、審査を通過すれば、東京電力福島第一原発事故後としては初めての新設炉の稼働になる可能性が高い。(小野沢健太)

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