自宅療養者のため無料で買い物代行 区内を駆け回る「ナマステ大臣」

2021年9月15日 20時56分
「地域でつながり、困っている人を助けていきたい」と話す男性会社員

「地域でつながり、困っている人を助けていきたい」と話す男性会社員

 新型コロナウイルス感染による自宅療養などで外出できない人のため、葛飾区の男性会社員(36)が、ボランティアで買い物代行を引き受けている。活動エリアは葛飾、墨田区で、「非常事態では助け合いが必要。困っている方がいるなら、自分1人でも必要なものを届けたい」と、電車や自転車を使って駆け回る。(太田理英子)

◆ツイッターで呼び掛け 8月中に5件の依頼

 買い物代行は、男性が「ナマステ大臣」の名前で開設しているツイッターか、葛飾区社会福祉協議会のボランティア・地域貢献活動センターを通じて受け付ける。対象は、自宅療養者のほか、入院調整中の人、ワクチン接種の副反応で外出できない人も想定。商品はスーパーやドラッグストア、コンビニで買えるものが条件で、1点からでも依頼を受ける。
 外出できない間に収入が減るケースや、現金を銀行で下ろせないことも想定し、配達料は無料。商品の代金は後払いでも可能としている。
 この男性は8月初旬、テレビ番組で企業による自宅療養者向けの買い物代行を知り、「同じ地域で動ける人がサポートできたらいい。在宅勤務の合間なら、自分にもできる」と考えた。8月11日、飲食店などのカレーのリポートが中心だった自身のツイッターで、買い物を代行すると初めてつぶやいた。
 投稿はすぐに16件拡散され、当日夕方には自宅療養者から1件の要請があった。高熱が出ているが行政からの支援物資が遅れているといい、ゼリー飲料や除菌ウェットティッシュを頼まれ、すぐに入手。ゴム手袋の手で袋詰めして指定場所に届けると、依頼主から「助かります」と感謝の連絡があったという。
 8月末までの依頼は計5件。接触せずに、インスタントのおかゆやスポーツ飲料、ティッシュなどを届けてきた。その間、自身も同居する妻が一時発熱し、なかなか病院でPCR検査が受けられないまま自宅で過ごした。幼児2人を抱え、家庭内感染の不安と外出できない不便さを痛感したという。

◆警戒されている?

 最近、依頼は途絶えている。男性は「活動が十分周知できず、どういう人物か分からず警戒されていることも原因かも」と話すが、葛飾区だけでも自宅療養者は約270人いるとされ、需要はあると見ている。
 地元では「手伝いたい」という声が寄せられ、チラシの掲示に協力してくれる飲食店も。ツイッターでは、外国人向けに英語や簡単な日本語での活動紹介も始めた。男性は「何かあっても、地域で動いてくれる人がいるんだという安心感につながってくれれば」と期待している。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧