1枚の写真が世界を変える 映画「MINAMATA−ミナマタ−」 ヒロイン演じた美波

2021年9月16日 07時52分

ヒロインを演じた映画「MINAMATA」をPRする美波

 日本の水俣病を世界に知らしめた伝説の写真家をジョニー・デップが演じる米映画「MINAMATA−ミナマタ−」(アンドリュー・レヴィタス監督)が、23日から公開される。主人公のユージン・スミス(デップ)を支えるヒロインを演じたのが美波(34)。デップ相手にも「撮影は楽しい時間だった」と充実の表情で、作品に懸けるスターの熱い思いなども明かした。 (藤原哲也)
 一九七一年の米ニューヨーク。ユージンはCMの仕事で通訳のアイリーン(美波)と出会う。彼女から、熊本県水俣市で工場廃水の被害に苦しむ人々を取材してほしいと依頼され、現地へ飛んだユージンの目の前には信じられない光景が広がっていた…。
 ユージンとアイリーンが後に発表した写真集「MINAMATA」が原案。環境問題に関心が高いデップは、世界で環境被害に苦しむ人々に光が当たるようにと決意し、ユージン役を引き受けるとともにプロデューサーに名を連ねた。作品への思い入れが伝わったという美波は「撮影の合間もカメラを手放さず、常に写真を撮り、体の一部のようになっていたのが印象的だった」と振り返る。
 美波は「バトル・ロワイアル」(二〇〇〇年)で映画デビュー。日仏のハーフで、夫は米ロサンゼルス在住のフランス人。仏の演劇学校に留学経験があり、米仏にも拠点を置く国際派だ。「国境がないボーダーレスな表現者、“ノマド”が目標です」と話す。
 ただ、英語での芝居は初めてで、オーディションでは監督から仏語なまりを何度も注意された。それでも、英国にいた監督を訪ねて直接演技を見せるなどした努力の末にアイリーン役をつかんだ。
 セルビアでのテスト撮影で初めてデップと会った。撮影を始めると、「ジョニーと私、監督、カメラマンと四人の間でケミストリー(化学反応)があった。それで安心できた」と話す。
 劇中は水俣の現実を撮り切ろうと苦悩する写真家を支える役だが、撮影ではデップに助けられた。「ユージンと生き方がリンクするところがある。どうしてもこの役を演じたかった」というデップが、気持ちのままに演じる自分を受け止めてくれた。その包容力のある芝居などから学ぶことが多かったという。
 クライマックスでユージンが撮影する一枚が世界に衝撃を与え、水俣病の実態を知らしめていく。「五十年たっても世界中で公害は起こり、地球が壊れかけている。本当にタイムリーなメッセージ。今こそフォトジャーナリズムの力で、世界を変えることにつながれば」と力を込める。
 日本からは真田広之、国村隼、加瀬亮、浅野忠信らも出演。東京・TOHOシネマズ日比谷などで公開予定。

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