74年前、首都圏で大被害 「教訓若い世代に」 足利でカスリーン台風慰霊祭

2021年9月16日 07時57分

カスリーン台風の市内犠牲者321人の名を読み上げ、読経する源田住職(中央)=足利市で

 戦後間もない一九四七年九月十五日、首都圏を中心に甚大な被害を出したカスリーン台風の犠牲者を悼む慰霊祭が十五日、足利市岩井町の渡良瀬川堤防上にある慰霊碑前で行われ、遺族や国土交通省、市役所の職員ら約十五人が参列した。
 地元住民でつくる慰霊碑保存協議会の主催。関東で約千百人が亡くなったカスリーン台風。被害が深刻だった足利市では慰霊祭会場近くの堤防が決壊し、市内の八割が水没、分かっているだけで三百二十一人の犠牲者が出た。
 犠牲者一人一人の名前を読み上げ、読経した徳蔵寺の源田晃澄(こうちょう)住職(78)は、屋根裏に逃げて生き延びた自身の経験を振り返り、「災害は突然来る。自分や周りの人の命を守るため、心を通わせ、助け合っていきましょう」と呼びかけた。
 「教訓を風化させず、若い人たちに伝えていかないといけない」と同市若草町の小林重喜さん(84)は語った。カスリーン台風で家を流され、三十七歳だった母親と五歳の妹、三歳の弟を失った。被災から七十四年が経過し、年々、参列者が減少していることに心を痛めていた。
 今回、初めて参列したわたらせ保育所の所長、二宮伸江さん(57)は「災害の怖さ、命の大切さを改めて考えた。子どもたちに分かりやすく伝えたい」と話していた。(梅村武史)

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