密避けるはずが事故急増…違反の電動キックボード、都心で横行 頭蓋骨骨折も 警視庁注意喚起

2021年9月17日 06時00分
 コロナ禍でも密を避けられる乗り物として人気の電動キックボードが絡む交通事故が、東京都内で今年、約40件起きていることが、警視庁への取材で分かった。乗っていた男性が頭の骨を折る重傷事故も起きていた。同庁幹部は「道路交通法上の原動機付き自転車という意識がないまま、無免許や信号無視といった違反を起こしている利用者が多い」と懸念。ルールを守るよう注意喚起を始めた。(井上真典)

ナンバーをつけず、車道を逆走する電動キックボード=東京都渋谷区で

◆人身事故は今年12件

 警視庁によると、都内での電動キックボード絡みの事故は今年、16日までに人身12件、物損27件の計39件発生。昨年は統計を取り始めた7月以降、人身2件、物損1件の計3件で、今年に入って急増している。
 6月には、江東区内の区道交差点で、40代の会社員男性が乗用車と衝突して転倒、頭の骨を折る重傷を負った。男性は免許は持っていたが、ヘルメットをかぶっていなかった。
 同月2日夜、新宿区内の都道交差点で、無免許の飲食店従業員女性(23)が信号無視し、タクシーと衝突、乗客に軽傷を負わせ、女性も手を骨折した。警視庁は8月、自動車運転処罰法違反(無免許危険運転致傷)の疑いで女性を書類送検した。女性は「免許が必要なのは知っていた」と話したという。

◆コロナ禍 欧米中心に広がるも違反が横行

 電動キックボードは欧米を中心に広まり、国内では新型コロナ感染が拡大した昨年春ごろから、注目されている。公道を走る際、原付き免許やヘルメットが必須。ナンバーやミラーの取り付け、自動車損害賠償責任保険(自賠責)の加入義務もあるが、違反が横行している。
 記者は8月、渋谷区の明治通りで歩道を走行していた20代の男性に声を掛けた。男性は「便利だと思ってアマゾンで3万円で購入した。原付きという認識はなく、ナンバーはいらないと思っていた」と弁解した。
 インターネットや家電量販店で販売されており、ネットでは「最高時速45キロ」とスピードを強調する宣伝文句が目に入った。
 同区の家電量販店を訪れると6万円前後の商品が並び、売り切れの品もあった。店員によると、今年春ごろから売り上げが伸びているという。
 ただ、店頭で見る限り、ミラーや方向指示器がなく、保安基準を満たさない商品ばかりだ。店員は客に「公道は走れません」と説明していたが、そのまま乗ってしまう違反や事故が頻発しているとみられる。
 警視庁の幹部は「重大事故につながる可能性もある」として、利用者にルール順守を呼び掛けるとともに、販売する側にも注意喚起への協力を求めている。

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