菅首相「丁寧に真摯な説明に努めた」 9日会見で指名しなかった5社に書面回答

2021年9月16日 20時52分

9月9日、記者会見する菅首相。この会見で本紙を含む5社が指名されなかった

 政府は16日、菅義偉首相の9日の記者会見で指名されなかった記者が会見後に提出した質問に書面で回答した。本紙は、新型コロナウイルス対策でも説明を尽くさないなど「説明しない政治」が国民の信頼失墜を招き、退陣に至ったのではと質問。説明や発信のあり方を尋ねた本紙含む5社の質問に対し「指摘・批判は謙虚に受け止めたい」と同様の回答を繰り返した。

◆当日は1時間で打ち切り

 本紙は質問で、安倍政権と菅政権の8年8カ月で、森友・加計学園問題、桜を見る会の問題などで国民の疑問・疑念に説明を尽くさない姿勢が問われてきたと指摘。国民の信頼を失った理由をただした。
 首相は、新型コロナ対策でも国民の協力は必要と説明。記者団の質問に答える「ぶら下がり取材」などの機会も通じて「政府の方針や政策について、できるだけ丁寧かつ真摯に説明するよう努めてきた」と強調した。その上で「さまざまな指摘・批判があった」として「謙虚に受け止めたい」と答えた。首相の説明や発信について質問したのは、本紙のほか北海道新聞、西日本新聞など計5社。
 9日の会見は、幹事社を含め計13人が質問し、1時間で打ち切られた。政府は指名されなかった記者の質問を書面で受け付け、13社が提出した。(村上一樹)
 ◇
 政府が16日、書面で発表した菅義偉首相の回答の要旨は次の通り。
 東京新聞 安倍政権と菅政権の8年8カ月の「説明しない政治」が問われている。森友・加計問題、桜を見る会の問題に象徴されるように、国民の疑問・疑念に対し、説明を尽くさない姿勢だ。首相も官房長官時代から「説明しない政治」をしてきた。国民に協力を求めなければならない新型コロナウイルス対策で、説明を尽くさず、国民の信頼を失い、退陣に至った。国民の信頼を失った理由をどう考えるか。安倍政権以来の「説明しない政治」が国民の信頼失墜を招いたのではないか。
 首相 新型コロナ対策を進めるためには国民の協力が必要なことは言うまでもなく、会見室での会見のみならず、「ぶら下がり会見」などさまざまな機会を通じて、政府の方針や政策について、できるだけ丁寧かつ真摯しんしに説明するよう努めてきた。説明のあり方について、さまざまな指摘・批判があったことは、首相の立場にある者として謙虚に受け止めたい。
 テレビ東京 コロナ病床の確保が進まない要因は何か。
 首相 現場からは「医師や看護師が不足」といった指摘を受けた。
 ジャパンタイムズ 国民とのコミュニケーションは取れていたか。
 首相 記者会見は毎回、試行錯誤しながら真摯に取り組んできた。
 時事通信 9月下旬の訪米は、「コロナ対策に専念する」とした発言と矛盾しないか。
 首相 関係閣僚と連絡を取れる体制を維持し、コロナ対策に万全を期す。
 河北新報 東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出する政府方針が、自民党総裁選後に変更、見直しされることは。
 首相 総裁選に関する個別の主張に、政府としてコメントは控える。
 CBCテレビ 行動規制の緩和と感染対策の徹底の両立をどう考えるか。
 首相 基本的な感染対策をしっかり行うことが前提。国民的な議論も踏まえ、制限緩和の具体化を進める。
 神戸新聞 首相の発信力不足が指摘されてきた。どう評価するか。
 首相 さまざまな指摘・批判があったことは謙虚に受け止めたい。
 西日本新聞 国民とのリスクコミュニケーションはうまくいったか。
 首相 国民に対する正確で時宜を得た発信と説明を心がけてきた。
 日刊現代 国民の命を守れなかったことを謝罪するつもりはあるか。
 首相 重症者数が過去最大の規模となり、自宅で亡くなるケースも増え、大変重く受け止めている。
 朝日新聞 安倍・菅政権の約9年間、不祥事が相次いだことの総括は。
 首相 国民の信頼を大きく損なったとの批判があることは、党、政府として重く受け止めている。
 京都新聞 緊急事態宣言期限の9月30日の前に記者会見があれば、打ち切らずに最後まで質問に答えるか。
 首相 多くの公務がある中、時間制限を設けずに質問を受けることは現実的ではない。
 北海道新聞 内閣支持率下落の理由は、首相の言葉が届かなかったからではないか。
 首相 支持率低下は真摯に受け止める。私の発信について、さまざまな指摘・批判があったことも謙虚に受け止めたい。
 中国新聞 自民党が河井案里元参院議員の陣営に提供した1億5000万円の実態解明は。
 首相 党の公認会計士が監査を行い、結果を踏まえ、法令にのっとって適切に対応する。

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