障害者アプリでつながる 友だち、恋人見つけて 結城さん開発 資金募る 「たった1人でも、心許せる人に出会えれば 前向きに」

2021年9月17日 06時33分

開発中のアプリ「IRODORI」のログイン画面

 障害者同士が気軽に友人や恋人を探せるスマートフォン用アプリ「IRODORI」の開発を、都内の会社員結城伊澄(ゆうきいずみ)さん(29)が進めている。九月末のリリースを目指す。結城さん自身も人との意思疎通に悩んだ経験があり、障害者に役立つ仕事をしたいと望んできた。当事者からの聞き取りを踏まえ、アプリの機能を充実させ「障害者の生活に彩りを添えたい」と意気込む。(佐々木香理)
 アプリでは、音楽、ファッション、アニメといったジャンルごとにグループがあり、その中でチャットや音声機能を使って利用者同士が会話できるようにする。共通の趣味を持つ異性を探し出し、直接やりとりできる機能もあり、顔写真の代わりに自分に似せたキャラクター「アバター」も使えるように設計した。

◆なりすまし防止

 なりすまし防止のため、アプリの入会時には障害者手帳などの提示を求め、障害に理解がある健常者も身分証を提示すれば入会できるようにする考えだ。違反行為がないよう二十四時間監視し、ルール違反者は退会させるなどセキュリティー対策も取る。対象は十八歳以上で利用は無料にする。
 結城さんは幼少期、医師の父から発達障害の可能性を指摘されたことがある。正式な診断は受けていないが「衝動的に行動したり一日中作業に没頭したりする」と自覚し、十代のころから障害者の役に立つ仕事に関心があったという。
 母親も臨床心理士で、家族は自分の特性に理解があったが、同世代には理解してもらうのが難しかった。人付き合いに悩む中、大学一年の時、心を打ち明けられる友人が初めてできた。「たった一人でも心を許せる人に出会えれば前向きに生きられる」と語る。

◆障害をオープンに

 就職後、取引先の医療関係者を通じて障害者が抱える人付き合いの難しさを知った。約五十人の障害者から悩みを聞き、初対面の会話への苦手意識や障害を打ち明ける不安などがコミュニケーションの障壁になっていると分析。「最初から障害をオープンにして悩みを共有し、前向きに交友関係がつくれる場」のニーズを実感し、障害者専用の交流アプリを思い付いた。
 結城さんは「たった数人でも、アプリがその人にとって『ほっとする空間』になってほしい」と願う。当面の広告費や運用費八十万円を目標に、クラウドファンディングサイト「A−port」で資金を募っている。同サイトで「障がい者の『仲間づくり』を応援したい」と検索。

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