道の駅 競争激化 県内15カ所目、笠間にオープン 阿見町では建設中止 生き残りへ差別化必要

2021年9月17日 07時34分

「道の駅かさま」のオープンをテープカットで祝う関係者ら=いずれも笠間市手越で

 笠間市手越の国道355号沿いに「道の駅かさま」が十六日、オープンした。豊富な観光資源に恵まれた同市の新たな交流拠点として期待されるが、県内の道の駅は十五カ所目。競争が激しさを増す中、膨大な整備費や維持管理コストを不安視する声は根強い。生き残るためには、独自の戦略が求められそうだ。(出来田敬司)

◆31億円

 道の駅かさまは、北関東自動車道の友部インターチェンジ(IC)の北約一・五キロに位置する。約三万五千平方メートルの敷地に農産物直売所やフードコート、特産の栗専門のカフェ、コンビニエンスストアなどを備える。
 店舗には、栗の木のテーブルや椅子、笠間焼の洗面器など地元の産品があしらわれ、笠間の魅力をPRする。駐車場は小型車三百四十九台、大型車十六台。ヘリポートや防災用のマンホールトイレも整備し、大災害の際に活用する。
 管理・運営を担うのは、市やJA常陸などが出資する第三セクター「道の駅笠間」(社長・山口伸樹市長)。事業費は、国の交付金も含めて約三十一億円に上る。

名産の栗を手に取る買い物客ら

 初日はオープニングセレモニーが開かれ、山口市長や大井川和彦知事らがテープカット。施設内は多くの人でにぎわった。石岡市山崎の大野信行さん(63)は「道の駅の良さは新鮮な野菜が多いこと。ここは売り場が広くて品数が多い」と喜んだ。

◆全国41位

 道の駅は国土交通省が認可し、市町村や公的な団体が設置する。二十四時間無料で使える駐車場やトイレのほか、道路情報などを入手できる端末の設置などが要件だ。一九九三年から登録制度が本格的にスタートし、今年六月現在で千百九十三カ所に達した。
 県内では、関東初の道の駅として九三年に誕生した「かつら」(城里町)を皮切りに、各地に続々とオープン。新設は二〇一九年七月の「グランテラス筑西」(筑西市)以来、約二年ぶりだ。
 県内の道の駅の数は、全国四十一位。隣接県の福島三十五カ所、千葉二十九カ所、栃木二十五カ所と比べると、まだまだ開設する余地はありそうだが、先行きの懸念から行政を揺るがす事例も出ている。

◆住民投票

 常総市が首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の常総IC周辺で計画している道の駅を巡っては、一部の市議が二十億円近い整備費や維持管理費を問題視。建設の賛否を問う住民投票条例の制定を神達岳志市長に請求したものの、今年七月、臨時市議会の本会議で否決された。
 阿見町では、国道125号バイパス沿いで道の駅の整備が進められていたが、計画の凍結と再検討を掲げる千葉繁町長が一八年の町長選で初当選。有識者らの検討を経て、千葉氏は今年七月、「建設費には二十億円近くがかかる。限られた財源の中、公共施設の更新や統廃合を進めることが課題だ」と建設中止を決めた。
 後発の笠間市は定着できるのか。山口市長は報道陣の取材に「初日は大勢のお客さんが来たが、半年後、一年後にどうなっているか。各地に道の駅ができ、ますます競争が厳しくなっている。笠間の特徴を生かし、差別化を図りたい」と気を引き締めた。

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