中国、TPP加入を正式に申請 日本、豪州、ベトナムなど全加盟国の同意必要 交渉は難航必至

2021年9月17日 20時00分
習近平国家主席=AP

習近平国家主席=AP

 【北京=白山泉】中国は16日、日本などが参加している環太平洋連携協定(TPP)への加入を正式に申請した。安全保障協力の国際的な枠組みを強化する米国に対して、中国は経済力を武器にアジア太平洋地域での影響力を強める構えだ。ただ、加入には厳しい要件もあり、ハードルは高い。
 中国国営新華社通信によると、王文濤おうぶんとう商務相が16日、事務局の役割を担うニュージーランドのオコナー貿易・輸出振興相に加入申請書を提出した。
 米国は15日、英国、オーストラリアと安全保障に関する協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」の創設で合意したばかり。日本やインドなど4カ国の枠組み「クアッド」の首脳会談を今月に予定するなど、中国を意識した安全保障政策を進めている。
 中国外務省は17日の会見で米国の安全保障政策とTPP加入の関連を否定したが、「中国の加入はアジア太平洋地域の経済一体化を促進し、世界経済の回復や投資増に寄与する」と述べた。
 TPPは貿易の関税に加えて、サービスや投資の自由化を進める多国間の連携協定。2016年2月に米国や日本など12カ国が署名に至った際には、中国包囲網の構築とも指摘されたが、翌年にはトランプ米政権が離脱を表明。米国を除く11カ国が署名し18年12月に発効した。
 一方、習近平国家主席は20年11月に開かれたアジア太平洋経済協力会議でTPP参加を「積極的に検討する」と表明し、保護主義を強める米国に対して自由貿易を推し進める姿勢を打ち出していた。
 ただ、TPPには中国との関係が悪化しているオーストラリアや、南シナ海の領有権問題を抱えるベトナムが既に加入している。新規加入に全加盟国の同意が必要となっており、交渉には難航も予想される。今年2月には英国が加入を申請したほか、台湾も関心を示している。

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