日本で使われなくなった楽器がウガンダで鳴り響く…音楽塾設立から2年で生徒2倍に

2021年9月17日 17時00分

日本から贈られた楽器を持つ音楽塾の生徒たち=ウガンダ・カンパラで(アイメック提供)

 東アフリカ・ウガンダに、神奈川県南足柄市に拠点を置く認定NPO法人「子どものための国際音楽交流協会(アイメック)」が贈った楽器を使った音楽塾が誕生した。設立から2年で生徒は2倍に、教師は3倍に増え、多くの子どもが音楽を学んでいる。NPOを設立した元貿易会社社長の岩井光祐さん(74)は「将来的に国を代表する音楽学校になり、国の式典で演奏してほしい」と願っている。(西岡聖雄)

使われなくなった楽器を持つ岩井光祐さん㊨と日比野由貴子さん=神奈川県南足柄市で

 金属資源の売買に携わった岩井さんは、世界を飛び回る中で、子どもたちの貧困や兵士として駆り出される姿に胸を痛めてきた。
 2010年、「平和の輸出」を理念に、1人でNPOを設立。小学校を卒業した後に使わなくなった鍵盤ハーモニカやリコーダーなどを日本で募り、洗浄した上で、アフリカやアジア、南米で音楽の授業がない国を中心に、12カ国の30校に約1500の楽器を贈ってきた。
 塾を開いたのは、岩井さんの活動に共鳴し、親交を深めたウガンダ大使館の元一等書記官ナムテビ・イーデスさん。帰国後の19年春、首都カンパラの所有するビルに「アイメック音楽財団ウガンダ」を創立した。日本で3人の子を音楽教室に通わせ、音楽塾を母国につくるのが夢だったという。
 開塾に際し、NPOは解散したマーチングバンドの楽器一式を届けた。NPOでウガンダ側との連絡役を担う日比野由貴子さん(南足柄市)によると、塾は生徒60人、教師3人で始まった。現地で楽器に親しむ子どもはほとんどいなかったが、地域行事で演奏して評判となり、生徒数は倍増。運営責任者でプロのジャズドラマーのサッリ・ニコラスさんら教師も3倍の9人に増えた。
 キーボードやブラスバンド、バイオリンなどのほか、アフリカの伝統音楽やダンスを含む多彩な学習コースができ、映像技術やコンピューターも学べる。ニコラスさんは「活動を東アフリカ全体に広げたい」と意気込んでいるという。
 生徒数の増加で楽器が不足しており、NPOはウガンダに贈る楽器や生徒用の中古バスを日本国内で探している。

ボランティアで楽器の手入れをする県立足柄高校の生徒たち=神奈川県南足柄市で

 NPOの会員も元外交官やミュージシャンら80人に増えた。今年から地元の県立足柄高校の生徒有志が楽器洗浄を手伝う。ウガンダの音楽塾は「AIMEC MUSIC FOUNDATION UGANDA」の会員制交流サイト(SNS)で活動を発信している。問い合わせは岩井さん=電090(9309)7095=へ。

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