環境に優しく長く受け継がれる服を 大妻女子大生と縫製工場がタッグ組み新アパレルブランド<まちビズ最前線>

2021年9月19日 05時50分

アパレルブランドを立ち上げた(左から)「エイ・アイ プランニング」の新井仁士専務、谷繊維の谷和也社長、大妻女子大の上村珠貴さん、吉井健准教授、河村りのあさん=東京都江東区で

 大妻女子大(千代田区)の学生たちが、資源を無駄に使わず長持ちする服の製作と、東京の産業振興を両立するアパレルブランドを6月に立ち上げた。第1弾として、都内の縫製工場2社とTシャツやスカートを共同開発し、ネット上で販売。学生たちは「東京の縫製工場と長く愛される製品を作り続けたい」と話す。(畑間香織)

◆「循環」意識し「マール トウキョウ」と命名

 ゆったりめに着られる白いTシャツや光沢のある生地が特徴的なワンピース…。大妻女子大被服学科の吉井健准教授(55)のゼミ生がゼロから発案した。環境に優しく、捨てられずに受け継がれる服をつくりたい。そんな循環を意識し、ブランド名は「丸」をもじって「マール トウキョウ」と名付けた。
 この企画は、吉井氏が学生にファッションビジネスを教えながら新型コロナ禍で業績が厳しいアパレル業界に貢献したい、との思いから始まった。

生地などについて話し合う(左から)「エイ・アイ プランニング」の新井仁士専務、谷繊維の谷和也社長、大妻女子大の上村珠貴さん、河村りのあさん、吉井健准教授=東京都江東区で

◆「適正価格で必要分の服を消費する行動に」

 商品コンセプトやデザインの立案、生地選びはゼミの4年生14人が担った。「着心地だけでなく、持続可能な社会に貢献する商品を作りたい」。学生らの考えに共感した縫製工場のエイ・アイ プランニング(江東区)と、谷繊維(江戸川区)が昨年10月から、学生たちと月1回の会議を経て、商品を作り上げた。
 「適正価格で必要な分の服を消費する行動にコロナ後は変わる」と谷繊維の谷和也社長(38)。手掛けたTシャツは、脇の部分に縫い目のない筒状の生地「丸胴まるどう」を使い、製作時に捨てる生地を少なくした。服を無駄にしないよう、商品は受注生産で販売する。

大妻女子大の学生と都内の縫製工場が製作したワンピース(同大提供)

◆学生がSNSで宣伝と告知

 商品の宣伝や告知は、学生らがSNSを使って紹介する。エイ・アイ プランニングの新井仁士ひとし専務(37)は「下請けの私たちには売り方も宣伝の仕方も分からなかったのでありがたい」と話す。大学や学生側は、教育と社会貢献が目的のため、売り上げは全額、縫製工場の利益とする。
 4年生の上村珠貴さん(22)は「一着に関わる人の多さや、かかる時間を見て服を大切にしようと思った。価格の背景も考えるようになった」と振り返る。

◆「コロナ禍で着飾る需要少なく」

 2022年の服を製作中の3年生の河村りのあさん(21)は「コロナで服を着飾る需要が少なくなった。カジュアルな服を作りたい」と今後を見据える。
 価格は4950円~2万2000円。詳細はマール トウキョウのホームページへ。

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