<自民党総裁選>疑惑解明 森友「再調査」は野田氏のみ

2021年9月18日 06時00分
 8年9カ月続いた安倍・菅政権では、森友・加計問題や「桜を見る会」など政権を巡る疑惑が次々に明るみになった。自民党総裁選では、これらの解明が大きな争点。17日の記者会見のほか出馬表明後の発言を分析すると、4候補の立ち位置は二分される。
 象徴的なのが、森友学園への国有地売却を巡る財務省の公文書改ざん問題への対応だ。自殺した近畿財務局元職員の赤木俊夫さんが改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」が6月に開示されたが、菅政権は再調査を否定してきた。
 河野太郎行政改革担当相は出馬会見で「検察、司法まで動いている」と再調査は不要とした。その後も「亡くなられた方がいる中で、心を痛めている方の気持ちを受け止めるのは大事」としつつ、再調査を巡る立場は変えていない。
 岸田文雄前政調会長は出馬表明後、当初は「国民は(調査が)足りないと言っているわけだから、さらなる説明をしないといけない」と再調査に前向きとも受け取れる発言をしたが、その後は「再調査するとは言っていない」と後退した。
 高市早苗前総務相は、疑惑が浮上した当時の首相の安倍晋三氏の支持を受ける。「改ざんを二度と起こさせない」と訴えるが、赤木さんの遺族が国などを相手に提訴していることを理由に、再調査の是非は「コメントできない」とする。
 唯一、再調査に積極的なのが野田聖子幹事長代行。17日の会見では、森友問題の再調査方針を明言。所見発表演説会では、公文書改ざんなどを「民主主義にとって非常にゆゆしき問題」と指摘し、総裁になった場合は、公文書に関する不透明さを解明するチームを立ち上げると表明した。
 日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を菅政権が拒否した人事に関し、岸田氏は会見で「撤回は考えていない」と断言した。
 立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の野党4党は、8日に市民グループと結んだ政策協定に、これらの疑惑解明や学術会議会員の推薦通りの任命を盛り込んだ。立民は政権交代すれば、初閣議で疑惑解明チームを政府内に設けるなど、直ちに政策転換を図る方針だ。(井上峻輔)
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 自民党総裁選で問われる政策や争点に関し、4候補と衆院選で政権を争う立憲民主党の立場を分析する。
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