創業78年 金町湯リニューアル 昭和の雰囲気残し「ニューレトロ」に

2021年9月18日 07時08分

浴場に立つ4代目銭湯主の山田新太郎さん(右)、加奈さん夫妻。富士山のペンキ絵には、「矢切の渡し」など地域の風景も描かれている=いずれも葛飾区金町で

 創業七十八年の葛飾区金町の銭湯「金町湯」が今月、リニューアルオープンした。木製格子天井などを残して昭和の雰囲気を生かしながら、約六十五年ぶりに本格改装。四代目の山田新太郎さん(29)は「若い世代にも楽しんでもらい、地元を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。(太田理英子)
 金町湯は一九四三(昭和十八)年創業で、金町に残る唯一の銭湯。五七〜五八年ごろ、火災で焼け、建て直していたが、老朽化が進み、五月から改装工事を進めていた。
 山田さんがイメージしたのは「ニューレトロ」。浴場のタイルや配管、富士山のペンキ絵を一新する一方、寺社風の宮造りの外観や木製の格子天井、創業時からあるとみられる柱時計などは残した。新たに受け付け用のカウンターを設け、長年使ってきた番台は入り口に飾ることにした。

脱衣場は昔ながらの格子天井などを生かして改装した

 男湯と女湯にそれぞれあったサウナは取り壊す予定だったが、最近のサウナブームを受け、片方は残して改装。浴場は週ごとの男女入れ替え制にした。サウナ客向けに屋外のウッドデッキを整備して外気浴スペースも新設。客の提案でアロマ水を使い、サウナ内に湿気とシラカバなどの香りを漂わせている。
 改装前は客の半数以上が近所のお年寄りだったが、十日にリニューアルオープンすると、三十〜五十代や家族連れの姿が目立つように。山田さんは「銭湯の魅力は家庭の風呂にはない解放感で、温かい社交場でもある。若い人たちにも浸透してほしい」と期待する。
 経営難や後継者問題のため銭湯は存続が難しくなりつつあり、区内で残るのは金町湯も含めて二十四カ所。新型コロナウイルスの感染対策の負担もある。

金町湯の宮造りの外観

 金町湯でも改装前はコロナ禍で利用客が減少していた。山田さんは「客に我慢してもらうばかりでなく、どう楽しんでもらうかを考えないと」と、いずれ銭湯で地域イベントを企画したいという。「『金町湯があるから』と、金町に引っ越す人が増え、元気がなくなっている商店街を活性化できたら」と話す。
 営業時間は午後三時半〜十時半。毎週木曜日と第四金曜日が定休日。

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