<新型コロナ>埼玉県、自宅療養者の支援強化のため2社と契約 第5波ピーク並みにも対応可能に

2021年9月18日 07時25分
埼玉県庁

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 新型コロナウイルス感染「第五波」の八月以降、自宅療養中に死亡する人が相次いだことを受け、埼玉県は自宅療養者の支援体制を強化する。健康観察をする「宿泊・自宅療養者支援センター」の業務委託先として新たに二社と契約し、自宅療養者が感染「第五波」ピーク時並みの一万八千人に達しても対応できるようにする。(飯田樹与)
 県によると、二社はともに大手旅行会社の「阪急交通社」(大阪)と「東武トップツアーズ」(東京)。基礎疾患のない無症状者や軽症者を保健所から引き継ぎ、健康観察業務に当たる。既に六日から業務を始めており、近く正式に契約を結ぶ。
 県は、センターが受け持つ自宅療養者数はピーク時で最大一万五千五百人と想定。その際は両社を合わせて看護師三百人、事務職員四百人の計七百人体制で対応することを申し合わせており、契約時に明示する。
 これまでセンター業務を委託していた訪問看護会社(東京)には、自宅療養者が最大四千六百人になるとメールや口頭で伝えたというが、契約時の書面では明示していなかったといい、情報や認識の共有不足で業務が混乱しないよう明確にしたとしている。
 県内では八月一日〜九月十六日に、七人が自宅療養中に死亡した。このうちさいたま市の六十代男性はセンターに引き継がれてから約二週間、電話応答がなかったのに放置され、別居の家族からの一一九番で発見され、死亡が確認された。
 当時センター業務を単独で受託していた訪問看護会社は取材に、県想定の最大四千六百人については「承諾していない」と説明。当初は看護師と事務職員計三十人で、一日当たり千五十人の患者に直接電話して健康状態を確認することにしていた。
 しかし、患者の急増で八月中旬には事務職員を含む最大六十人で、想定の七倍超の患者をみる状況になったという。この間、回復して療養解除になった人についての県への報告が後回しになるなど業務が滞り、自宅療養者が約六千六百人過大に計上されていたことが八月下旬に発覚した。県は今回、この訪問看護会社との契約を更新しなかった。
 県は、センターの運営体制強化費として二十億七千五百万円を盛り込んだ千二百七十一億六千九百万円の本年度一般会計補正予算案を、二十四日開会の県議会九月定例会に提出する。

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