新規感染者、まだ「第4派」より高水準 ワクチン3回目、年内視野に接種対象者の議論

2021年9月19日 06時00分
<コロナ1週間・9月11~17日>
 新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向だが、いまだに今春の「第4波」よりも多い。厚生労働省はワクチンの3回目接種の年内実施も視野に、対象者の議論を進める。
◆感染状況
 政府分科会の尾身茂会長は16日、第5波の「ピークは一応越えた」と語った。1週間(11~17日)の新規感染者数の1日平均は、東京が946人。東京、神奈川、埼玉は前週より4割ほど、千葉は5割以上減ったが、4都県とも第4波のピーク(5月)をまだ上回っている。
 重症者も減少しているが医療体制は「厳しい局面が続いている」(厚生労働省に助言する専門家組織)。病床使用率は17日現在、埼玉は約54%、神奈川は約50%で、感染指標「ステージ4(感染爆発)」基準の50%以上。東京は約44%、千葉は約49%に下がった。
 専門家組織の推計では、ワクチン未接種者は接種者より夜間外出を控えている。だが、都の感染者約11700人へのアンケートによると、約16%が「飲酒を伴う懇親会などに参加」、約24%が「同居者以外とマスクなしで会話」という感染リスクの高い行動をしていた。(小坂井文彦)
◆ワクチン
 ワクチン接種が進んでいる。16日時点で全国民の65・3%が1回は接種し、53・1%が2回の接種を終えた。菅義偉首相は、1回目の接種率は米国を上回ったと説明した。
 相模原市や神奈川県鎌倉市などで、米ファイザー製ワクチンから白い浮遊物が見つかった。同社日本法人は、成分が溶けずに残ったもので、安全性に問題はないと説明している。
 厚労省のワクチン分科会は17日、3回目の追加接種を了承。2回目から8カ月以上後を基本とし、対象者や接種体制の議論を進める。世界保健機関(WHO)などの専門家チームは、一般人まで幅広く3回目接種が必要だと示すデータや証拠はないと英医学誌で発表。米モデルナ社は3回目接種が「有益となり得る証拠が追加された」としている。(清水俊介)
◆くらし経済
 東京株式市場の日経平均株価(225種)の14日の終値が30670円10銭となり、ことし2月につけたバブル経済崩壊後の最高値を更新した。1990年8月以来、約31年ぶりの高値水準。ワクチンを2回接種した人が5割を超え、経済正常化が進むとの見方が追い風となった。
 ワクチン接種が進んだことを受け、日本商工会議所は15日、飲食・観光業を後押しするため「Go To イート事業の拡充や、Go To トラベル事業の再開」を要望した。三村明夫会長は「感染者は減少傾向。経済活動をそろりと始めてほしい」と話した。
 政府は、ワクチン接種の進展を条件に、緊急事態宣言下でも大規模イベントや酒類提供などの行動制限の緩和を目指す考えだが、政府分科会の尾身茂会長は「急に緩めるとリバウンド(感染の再拡大)が来る」と警告する。(岸本拓也)

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