<各駅停車>エコの名のもとに

2021年9月19日 07時34分
 「案内した人は皆、びっくりしますよ」。越生町の太陽光発電所を取材したときのこと。三〇度の急斜面に黒光りする太陽光発電パネルが並ぶ光景を見上げて絶句した。
 写真や映像で見る三〇度の傾斜と、実際に真下に立って見上げる迫力は全然違う。案内してくれた地元の男性は土木工事の専門家。「事業者は地図だけ見て、現地も見ずに買い取ったのではないか。そうでもなければ、こんな急斜面に造るとは考えられない」と話す。
 案の定、立ち木を伐採した後の大雨で土砂崩れが発生。今も雨が降るたびに泥水が道路に流出する。
 インターネット上には「高利回り」のうたい文句で太陽光発電所の物件情報が並び、エコというより今や金融商品の感がある。利回りと安全のためのコストは両立するのか。何かがおかしい。(中里宏)

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