プラスチックへ竹再生 竹害抑え循環型社会を 長南のNPO「駅」オープン

2021年9月19日 07時36分

住民らから買い取った竹を前に「放置竹の循環利用を進める」と話す鹿嶋理事長

 山林から切り出された後に放置されることが多い竹を活用しようと、長南町長南のNPO法人「竹もりの里」などは、周辺住民らから買い取った竹を環境に優しいプラスチックに再生する拠点「竹の駅ちょうなん」を開設した。県内は全国有数の竹林密集地で、放置竹による環境被害も目立つ。同法人の鹿嶋与一理事長(72)は「竹害を抑え、循環型社会実現を目指す」と話している。(加藤豊大)
 施設は同町長南の山あいで今月六日にオープン。旧長南幼稚園を改装した園庭には、住民らから早速買い取った約四百キロの竹が並ぶ。「林の整備で切り出した竹は使い道がなく、処分にも困って放置してしまう人も多い。でもアイデア次第で有効活用できる」と鹿嶋理事長は言う。
 施設内には、竹をパウダー状にする粉砕機三台や、それらを乾燥するビニールハウス一棟を整備。パウダーは、共同で竹の駅を運営する川崎市の樹脂製品製造会社「ユニオン産業」へ送り、焼却時に出る二酸化炭素(CO2)が少ない「バイオマスプラスチック」の原料に使う。当面は毎月八トンほどの買い取りを見込む。
 林野庁による二〇一七年の統計では、県内には五千九百十五ヘクタールの竹林が広がり、全国で八番目に大きい面積だ。東京都や神奈川、埼玉両県はいずれも千ヘクタール以下で、首都圏でも突出して広い。鹿嶋さんによると、川の上流に放置された竹が大雨で海岸に大量に流れ込むなど、千葉県内各地で環境被害をもたらしている。
 鹿嶋さんは製造会社を定年退職後の二〇一〇年、以前から関心のあった自然環境保全を目指して竹もりの里を仲間約二十人と設立。放置竹を集めて竹炭を作り、土壌改良材に活用するなど活動してきた。こうした循環利用の取り組みをさらに推進しようと、同社と手を組み竹の駅を企画。町から園を無償で借り受け、四月から改装を進めた。

旧幼稚園を改装してオープンした竹の駅ちょうなん=いずれも長南町の竹の駅ちょうなんで

 町民を優先に、県内の人らから持ち込まれた竹を軽トラックの荷台一台分(四百キロ)当たり四千円ほどで買い取る。事前に竹もりの里=電0475(47)4348=へ申し込む。

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