ドイツ総選挙まで1週間 過半数の政党なく「信号機連立」の可能性も

2021年9月19日 19時19分
 【ロンドン=藤沢有哉】ドイツのメルケル首相(67)の後任が焦点となる26日投開票の総選挙まで1週間を切った。世論調査では与党第一党の低迷が続き、大連立の一角を担う中道左派の社会民主党(SPD)が支持率で首位に立つ。ただ、過半数の支持を得る政党はなく、次の連立政権の枠組みは不透明で、各党のシンボルカラーにちなみ、「信号機」「ケニア」などさまざまな連立の組み合わせが取り沙汰されている。
 「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が率いる連立政権こそが国を穏健な未来に導く」。メルケル氏は自身が所属する中道右派与党の劣勢を受け、7日の連邦議会で、SPD中心の左派連立政権誕生の可能性に警鐘を鳴らした。
 CDU・CSUの支持率は7月中旬、首相候補ラシェット氏(60)の洪水被災地での失態で下落。一時トップに立った緑の党も首相候補ベーアボック共同代表(40)の盗作疑惑で失速した。今月に入り、首相候補ショルツ財務相(63)を擁するSPDが抜け出し、公共放送ARDが16日発表した世論調査では支持率26%で、CDU・CSUを4ポイント、緑の党を11ポイント上回った。
 SPDが総選挙で第一党になったのは2002年が最後。現在のメルケル政権ではCDU・CSUと大連立を組んでいる。次期政権も2党か3党による連立になるとみられ、ショルツ氏は連立協議の主導を見据えて「SPDの得票が多いほど、より良い政権ができる」と国民に呼び掛ける。
 ただ、ロイター通信によると、有権者の約4割は投票先の政党が未定で選挙結果は流動的。このため欧州メディアにはさまざまな連立が取り沙汰されている。
 政党のシンボルカラーにちなみ、有力候補の一つに挙がるのが「信号機連立」だ。SPD(赤)と自由民主党(FDP、黄)、緑の党(緑)が組むが、SPDと緑の党が富裕層増税に賛成の一方、FDPは後ろ向きという対立点がある。SPDと左派党(赤)、緑の党で構成する「赤・赤・緑連立(左派連立)」も、左派党の反北大西洋条約機構(NATO)の姿勢が障害になると指摘される。
 他にも、CDU・CSU(黒)と緑の党、FDPのシンボルカラーを国旗に見立てた「ジャマイカ連立」などがあるが、いずれも政党間の政策調整のため、連立協議は難航が予想され、新政権誕生まで数カ月かかるとの指摘もある。

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