空爆の報復で「フランスという国を標的に」 パリ同時多発テロ事件被告、黙秘から一転多弁に

2021年9月19日 19時28分
同時多発テロ事件の公判が開かれたパリの裁判所=8日

同時多発テロ事件の公判が開かれたパリの裁判所=8日

 【パリ=谷悠己】2015年のパリ同時多発テロ事件の公判がパリで開かれている中で、実行犯グループで唯一の生存者サラ・アブデスラム被告(32)が、捜査段階や他の事件の公判での黙秘から一転して多弁になり、被害者や遺族に複雑な感情を抱かせている。
 「一般市民を襲ったが個人への恨みはなく、フランスという国を標的にしただけだ」。仏メディアによると、15日の公判でアブデスラム被告はこう語った。
 フランスを標的にした理由は自身が所属した過激派組織「イスラム国」(IS)が当時中東シリアで支配していた地域への空爆だとして、「仏軍機は女性も子どもも区別なく攻撃した」と非難。公判で尋問が予定されるオランド前大統領にも言及し、「空爆の判断を下した際、仏国民が死に直面するというリスクを知っていたはずだ」と述べた。
 被告20人への尋問は11月の予定だが、今月15日は裁判長が各被告に所感の発言を許可。アブデスラム被告は約5分間話した。
 8日の初公判で職業を「ISの戦闘員」と名乗ったアブデスラム被告は9日にも、裁判長が被害者参加人の制度を説明している最中に「シリアやイラクにいる被害者にも語る権利はあるはずだ」などと発言。裁判長から「5年間沈黙したあなたが話すことを決めたのはいいが、今はその時ではない」と諭されていた。

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