明治のレールや枕木出土の高輪築堤で現地見学会 一部の移築を除いて解体へ

2021年9月19日 21時24分

発掘調査が進み、築堤陸側の石垣が見つかった高輪築堤跡。左はJR高輪ゲートウェイ駅=19日、東京都港区で

 1872(明治5)年の鉄道開業時、陸地を避けて線路を敷くため東京湾の浅瀬に築かれた「高輪築堤ちくてい」(東京都港区)の発掘調査が進んでいる。19日には区民ら向けの現地見学会が開かれ、出土した明治期のレールや枕木の展示のほか、調査で分かってきた築堤の構造などの解説があった。(梅野光春)
 築堤は1870年に着工し、現在のJR田町駅—品川駅付近の浅瀬に、約2・7キロにわたり細長く造られた。英国人技師の指導の下、お台場などの石垣を築いた国内技術も採用。海の上を汽車が走る様子は錦絵に描かれ、文明開化を象徴する東京名所になった。
 一帯の埋め立てで姿を消し、昨年8月、高輪ゲートウェイ駅西側の再開発で約800メートルが出土。今年5月から解体を伴う調査が続く。
 19日の見学会では港区教育委員会の担当者が、新たに出土した築堤の陸側の石垣について「水面に垂直で段数は少なく、上部は土がむき出しのままだった。上まで石垣に覆われ、傾斜していた海側と違う」と紹介した。石は1個150〜200キロで、神奈川県真鶴町などから運ばれたという。

高輪築堤跡で発掘されたレール(手前)と、レール用の固定金具が付いた枕木(奥)=19日、東京都港区で

 調査で見つかった「双頭レール」や枕木も初公開。双頭レールは、車輪と接する面が摩耗したら上下をひっくり返して再利用する設計で、主に明治期に英国から輸入された。枕木には双頭レール用の固定金具が付いたままで「この状態では国内初の出土らしい」と区教委の担当者は話した。
 出土した築堤のうち現地保存される120メートルは、17日付の官報告示で国史跡に正式に指定された。ただこの日の見学範囲は一部の移築を除いて解体され、跡地にビルなどが造られる。
 見学した会社員木越きごし陸斗りくとさん(20)は「築堤を初めて間近に見た。きれいに残っていて感動した。全体を現地保存できればいいが、無理なら、ビルの中に姿を再現するなどの工夫を」と望んだ。

関連キーワード

PR情報

東京の新着

記事一覧