増える就活インターン コロナ下、主流はオンライン やりたい仕事、働き方 明確に

2021年9月20日 07時09分
 大学が夏休み中の八〜九月は、三年生を対象にしたインターンシップ(就業体験)が多くの企業で実施される時期だ。コロナ下二年目となる今年は、二〇二三年春に卒業予定の学生が主にオンラインで、仕事への理解を深めている。「イメージと違った」など入社後のミスマッチを減らすといった効果があるインターンシップだが、就職活動の長期化を招いているという指摘もある。 (熊崎未奈)
 六月下旬、中部大(愛知県春日井市)三年、太田恵里香さん(21)は就活情報サイトでインターン先を探していた。「就活の実感は湧かないけれど何かやらなきゃ」という危機感から、興味を持った名古屋市のアプリ開発会社に申し込んだ。
 期間は八月下旬の三日間だ。密を避けるためオンラインでの実施だったが、一日八時間、プログラミングの基礎知識や業務内容について説明を受けた。若手社員の熱心な話しぶりに、ウェブ業界への親近感が湧き「本番に向け、とても参考になった」と力を込める。
 就活スケジュールは長く経団連が定めてきたが、今年三月卒業の学生から政府主導に切り替わった。経団連に加盟していない外資系企業などが、自由に選考活動をしている実情を受けたものだが、日程はそれまで通り。現在三年生の二三年卒は来年三月に説明会などの広報解禁、四年生になった六月に選考解禁、十月以降に内定としている。
 そうした中、インターンシップは、早くから優秀な学生と接点を持つチャンスだ。就活情報会社ディスコが六〜七月、約千二百社に聞いた調査では本年度、インターンシップを実施すると答えた企業は66・1%。参加した学生からの採用を「増やしたい」という企業も72%に上る。仕事への意欲があり、研究熱心と考えられるためだ。
 企業側のこうした姿勢を受け、参加者は年々増加傾向だ。内閣府によると、インターン経験のある学生は一六年卒が51・1%だったのに対し、二一年卒は79・1%に。ディスコが昨年度の三年生に聞いたところ、参加日数は一企業当たり半日が39・3%で最も多く、一日が25%、二〜四日が28・5%だった。
 希望者が増え、六月ごろから参加者を絞るための選考会を開く企業もあり、本選考まで一年近く就活する学生も多い。リクルートキャリア就職みらい研究所所長の増本全さん(41)は「企業と学生が理解を深め合うことはミスマッチを防ぐにはいいが、学業を阻害してはいけない」と指摘する。
 就活期間の長期化とともに、もう一つ、課題として挙がるのはコロナ禍によるオンライン開催だ。マスコミ志望の法政大三年、内山陽貴(はるたか)さん(22)は、新聞社やテレビ局など計六社のインターンシップに参加予定だが、対面形式は一社だけ。東京にいながら、地方の会社でオンラインによる模擬取材など就業体験ができたのはよかったが「直接、働いている人の雰囲気を確かめたかった」とも言う。
 増本さんは「大人数で、しかも遠方でも参加できる」として、今後、オンラインは定着するとみる。一方で「仕事をリアルに体感してもらうには工夫が必要」と指摘。既に在宅勤務が原則となったIT企業ではオンラインで会議や商談に参加させる、大手ゼネコンでは建設現場を仮想現実(VR)技術を使って見せるなど試行錯誤している。
 ただ、対面でも、オンラインでも、増本さんは「実務を経験することはキャリアを具体的に考える機会になる」と強調。「周りが動くから動くではいけない」とも。インターンシップは参加することが目的ではない。「どんな仕事、働き方をしたいのかを明確にして臨むことが大事」と促す。

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