民具の知恵と技を探る 水車屋農家に保存 三鷹市の連続講座、受講生募集

2021年9月21日 07時14分

土蔵に保管されている民具約1700件の一部=いずれも三鷹市大沢で

 三鷹市大沢の「大沢の里水車経営農家」に保存されている民具に焦点を当てる市の連続講座「暮らしの道具の知恵と技〜形の謎を探ろう」が十月、開講する。江戸時代から水車屋を営んできた農家の暮らしを支える道具類がほぼ完全な形で保存されている例は全国的に珍しいという。(花井勝規)
 水車経営農家は、江戸後期の一八一七年から昭和四十年代まで野川べりの大型水車を駆使して製粉業を営んできた峯岸家の古民家や水車設備を保存した施設。一九九八年、都有形民俗文化財に指定された。二〇〇九年には日本機械学会の機械遺産にも認定された。建物や設備が峯岸家から市に寄贈され、現在は市が管理する。

築後200年以上が経過している藁葺(わらぶ)きの母屋

◆野川でウナギ

 連続講座は十月三日に始まり、来年三月十九日までの全六回。うち四回は現地に保管されている千七百点余の道具類を実際に手に取りながらの体験型となる。水車経営にまつわる道具類から養蚕、農耕、調理などに関するものまで多岐にわたる。例えば、ウナギを捕る道具「ウナギドウ」は、かつて野川で毎日のようにウナギがとれたという地域の歴史を物語る。

ウナギを捕る道具「ウナギドウ」

◆歴史をたどる

 講師は元文化庁文化財調査官の神野善治・武蔵野美術大学名誉教授(72)。神野さんが代表を務めた民具調査会が、二年間の現地調査の成果をまとめた報告書(〇五年)を講座のテキストにする。
 神野さんは調査会が立ち上がる前の約六年間、毎週のように現地に通い、道具の一つ一つに関するエピソードを聞き取った。「民具は地域や暮らしの歴史をたどる貴重な手掛かり。それを使いこなしてきた人々の知恵と技が凝縮された価値をぜひお伝えしたい」と話している。
 市が市内外から受講生を募っている。問い合わせは生涯学習課=電0422(45)1151、内線2922=へ。

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