小田原三の丸ホール 目標価格内で開業 苦節35年、最高級の音質

2021年9月21日 07時35分

オープンした小田原三の丸ホール=いずれも小田原市で

 小田原市が小田原城前に整備していた文化・芸術拠点「小田原三の丸ホール」が今月オープンした。老朽化した旧市民会館の後継施設として一九八六年から続く懸案で、かつては市長選の争点にもなった。東京五輪に伴う建設費高騰で迷走したが、目標価格内で高品質のホールに仕上がったとしている。総事業費は六十三億円。(西岡聖雄)
 ホールは地上四階、地下一階建て延べ八千五百平方メートル。大ホール(千百五席)と小ホール(三百席弱)、ダンスや音楽練習用のスタジオ、ギャラリーもある。
 大ホールの一、二階席は放射状でどの席からも舞台、出演者の表情が見やすい。高音と低音を反射、吸収する割合が違う木と石を調和させた内壁で、豊かな音質を実現したという。

最高水準の音響環境という大ホール

 小ホールの一階席(二百席超)は可動式にし、収納すると平土間として多目的に使用できる。小田原城を見渡せる二、三階のロビー広間(ホワイエ)は、ホールの催しなどがないときは一般開放する。
 野外イベントをできる広場、カフェのある市観光交流センター(二階建て延べ四百四十平方メートル)も敷地内にあり、市民らが気軽に立ち寄れる「小田原城の縁側」のような空間という。センターはレンタサイクル(十六台)も貸し出す。
 市は二〇一五年、一般競争入札で事業費が九十億円に膨らむ恐れが出た旧計画を破棄、着工を先延ばしにするなど事業費を圧縮し、設計・施工一括発注の新計画に変えた。
 懸念された新計画の品質低下を防ぐため、受注希望各社のデザインや価格を専門家が審査、市民の前でプレゼンしてもらう異例の方法にし、鹿島と環境デザイン研究所の共同企業体(JV)が受注した。大石時雄館長は「音響環境は国内最高レベル」と胸を張っている。問い合わせは三の丸ホール=電0465(20)4152=へ。

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