大量生産、大量消費に警鐘「必要ないモノは買わないで」 パタゴニアが中古品販売イベントでPR

2021年9月22日 11時11分

「必要ないモノは買わないで」というメッセージが掲示されたパタゴニアの販売イベント=東京都渋谷区で

 米国の人気アウトドア用品メーカー「パタゴニア」が、大量生産と大量消費に疑問を投げかける期間限定の中古品販売イベントを実施している。購入数は1人2点までに制限。あちこちに「必要ないモノは買わないで」と掲示し、服を長く着ることが持続可能な社会につながると訴える。(福岡範行)
 東京都渋谷区神宮前の店舗で、イベントは26日まで開かれている。150平方メートル近い売り場に並べられた商品は、全国の社員から買い取ったパタゴニアのジャケットやシャツ、ズボンなど1000点に及んだ。店の奥ではスタッフが衣類の修復作業の実演をしていた。

衣類の修復作業を実演するパタゴニアのスタッフ

 パタゴニアによると、販売価格は新品の半値ほど。来客数、売り上げとも想定以上だという。
 「15年ぐらい前にここで買った白いTシャツを今も使っています」。パタゴニア製品を愛用する中島美智子さん(54)=世田谷区=は物を大切にする一環での中古品販売を歓迎する。「古着は、今はない色柄もあって楽しい」
 修繕や古着を活用して服を長く使うことは、環境保護につながる。環境省は特設ウェブサイトをつくり「ファッション産業は環境負荷が大きい」と警鐘を鳴らし、業界と連係して脱炭素型ビジネスへの移行を進めようとしている。

ひざの部分に無数の修繕の跡があるパタゴニアのクライミング用のズボン。玄関近くに展示されていた

 環境省のサイトによると、服1着の材料を調達して製造し、店に運ぶまでには、ペットボトル255本を製造する際と同じだけの二酸化炭素(CO2)約25・5キロを排出。浴槽11杯分の水2300リットルも使うという。
 また、国内で年に1度も着用されない服は1人当たり25枚。服を手放す手段では廃棄が68%を占める。焼却、埋め立てされる衣類は1日当たり1300トンに上る。
 ファッション業界ではジーンズ大手「リーバイス」などが、不要な衣類の回収、古着の修繕に力を入れており、後に続く企業が増えてきている。
 「古着販売のニーズはある」と、パタゴニアのシニアマネージャー佐藤拓也さん(42)はイベントの手応えを実感。今後の展開も検討するとし、「このブランドを選べば一つで長持ちするんだな、直してくれるんだな、というのは、新品をお薦めする上でも非常に重要なメッセージ」と語った。

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