政治家の安易なブロック連発、反対意見の切り捨ては… あるべきSNSの使い方とは?

2021年9月22日 18時00分
 選挙や政治活動に欠かせなくなったツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)は、29日投開票の自民党総裁選の候補者も政策アピールの場として活用している。だが、特定のアカウントからのアクセスを制限する「ブロック」機能を公人が多用することには批判の声も。政治家、特に「トップ」となる人のあるべきSNSの使い方とは。情報リテラシーが専門の成蹊大客員教授、高橋暁子さんに聞いた。

高橋暁子・成蹊大客員教授(本人提供)

 ツイッターで240万を超すフォロワーを持つのは河野太郎行政改革担当相だ。ブロック機能を多用するため「ブロック太郎」とも呼ばれる。18日夜に出演したインターネットの動画中継サイト「ニコニコ生放送」では、自身に寄せられる誹謗(ひぼう)中傷を「フォロワーに読ませる必要はない」などとして「堂々とブロックします」と再度〝宣言〟。今後もブロックを使う方針を示した。
 高橋さんは「安易なブロックと、反対意見を切り捨てるような姿勢はいかがなものか」と懸念を示す。河野氏はワクチン担当相でもあり、ブロックされたアカウントがワクチン情報にアクセスできないという批判もある。一方、「ネットでウケる文脈が分かっていて、市民の問い掛けにも反応するなど風通しの良さを感じる」点は評価した。
 米国のトランプ前大統領もツイッターのブロックを繰り返したことが話題になった。高橋さんいわく、政治家のSNS活用で重要なのは「聞く姿勢」と、自分の言葉でメッセージを発信することという。
 こうした点で、高橋さんは、今月発足したデジタル庁の事務方トップ「デジタル監」に就任した一橋大名誉教授の石倉洋子さんと、河村たかし名古屋市長のアカウントにも注目する。

指摘を受け謝罪した石倉洋子氏の投稿(ツイッターから)

 石倉さんは公式ホームページでの画像の無断使用の指摘を受け、自身のツイッターで謝罪。デジタル監としての専門性や能力に疑問の声も出たが、経過説明も行い、好意的に受け止めた人もいる。

方言が多用される河村市長のツイート(ツイッターから)

 河村市長は、東京五輪で金メダルを獲得したソフトボール選手のメダルをかんで〝炎上〟した記憶が新しい。しかし、ツイッターは「名古屋弁」での書き込みに人柄が出ているという。
 高橋さんは「選挙で1票を入れても声が届いている実感は乏しいが、ツイッターで応答があったり、SNSで世論が動いたりすると有権者の政治への関心が高まる」と意義を説明する。
 小中高校、大学生向けのSNS研修の講師もしている高橋さん。子どもたちには必ず「自分の考えが絶対だと思わないこと。相手はどう考えるか、受け手を尊重する姿勢を忘れないで」と伝えているという。

河野大臣のツイート。何げないつぶやきも(ツイッターから)

 特にツイッターは、ネットで名前を検索した時に上位に表示され、投稿内容から人柄や思い、政策の背景が分かる。「使い方次第で、国民に広くメッセージを届ける有効な手段になる」と高橋さん。「だからこそ、気に入らないからブロックする、付き合わないというのでは子どもに示しがつかない。建設的な反対意見には聞く耳を持ち、批判的な人にも歩み寄るような子どもの手本になる使い方を」と求めた。(奥野斐)

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