「平和な社会」考える 自由学園でオンライン特別授業 戦争体験者、バリアフリー研究者が講演

2021年9月23日 07時07分

オンライン講演会で、戦争体験者の坂上多計二さん(左)に生徒からの質問をぶつける司会の高2の岡本主真さん

 国連が定める国際平和デー(二十一日)に合わせ「平和な社会」をどう築いていくかを考える特別授業が二十一、二十二の両日、私立の「自由学園」(東久留米市)で、オンラインで行われた。戦争体験者とバリアフリー研究者の話を通じ、生徒たちは、戦争の恐ろしさや、社会で少数派が不利益を受けている問題に向き合った。(林朋実)
 講師を務めたのは、フィリピン・ミンダナオ島での戦争体験がある坂上多計二(たけじ)さん(96)=鹿児島県=と、全盲の障害者でもある東京大准教授、星加良司さん。二人は自宅などから語り、中学一年〜高校三年の全生徒約四百三十人は、それぞれ自宅で話を聞いた。
 坂上さんは、二十一日の講演で、ミンダナオ島での体験を語った。旧海軍の農業指導をしていた際、米軍の砲撃を受けて隊員とジャングルに逃げ、飢餓に苦しんだ。
 坂上さんは「芋のつるを探す途中、死人の臭いがぷーんとした。生き地獄だった」「痩せても死なないが、塩分がなくなり、顔も手も水膨れでぱんぱんに腫れると二日もしないうちに死ぬ。そうやって隊員が減っていった」などと具体的に体験を語った。
 坂上さんは「正義の戦争はない」と強調。生徒から「武力でないと解決できない問題もあるのではないか」と質問が出ると、坂上さんは「教育で解決できる」と応じた。
 星加さんは二十二日の講演で「世の中は(健常者ら)マジョリティー中心にルールが作られがちで、実は偏っている」と指摘。「(障害者ら)マイノリティーの声を聞くことは、社会の偏りを変えるきっかけになるという意味でも重要。不平等をなくしていくことは、平和な社会をつくることに直接つながっている」と説いた。
 これを聞いた高三の中村侑人さん(17)は「社会的弱者が生きやすい社会、たとえこぼれ落ちる人が出てもすくえる社会を目指さないといけないと感じた」と話した。

関連キーワード

PR情報

東京の新着

記事一覧