史料で振り返る東京の歩み  墨田で「ひきつがれる都市の記憶」

2021年9月23日 07時07分

東京高輪海岸蒸気車鉄道の図 歌川広重(三代)1871年 江戸東京博物館所蔵(同館提供)

 旧石器時代から現代までの東京の歩みを、出土した史料や当時の様子が分かる絵や写真などで振り返る企画展「ひきつがれる都市の記憶−江戸東京三万年史」が、墨田区の江戸東京博物館(横網一)で開かれている。歴史を身近に感じてもらおうと、都と同館、都歴史文化財団が共催している。十二月五日まで。(長竹祐子)
 会場ではプロローグ「現代によみがえる『歴史』の痕跡」や「旧石器時代から古墳時代まで」「近代国家としての首都東京」などと時代ごとに七つのコーナーを設けて計二百点以上を紹介。

1964年の東京五輪日本代表選手用公式ブレザーなど、東京の歴史を振り返る展示が並ぶ企画展=いずれも墨田区の江戸東京博物館で

 プロローグでは、歴史の痕跡としてJR高輪ゲートウェイ駅西側の再開発で見つかった「高輪築堤(ちくてい)」(港区)を紹介している。一八七二年の鉄道開業時に東京湾の浅瀬に築かれた築堤を題材にして、浮世絵師・歌川広重(三代目)が描いた「東京高輪海岸蒸気車鉄道の図」を紹介。築堤を蒸気機関車(SL)が煙を上げて走る様子や、眺める人々が色鮮やかに描かれており、当時の様子や現在の品川近辺が海だったことがわかる。
 また、時代ごとに小平市の鈴木遺跡の旧石器時代の石器(複製)や、大田区の観音塚古墳の埴輪(はにわ)、国分寺市の武蔵国分寺跡の奈良時代の瓦などが並ぶ。江戸城を築いた太田道灌にまつわる資料や江戸の市街地図、浅草の凌雲閣(りょううんかく)のれんが、東京五輪(一九六四年)の日本選手公式ブレザーもあり、世界有数の都市に発展した江戸、東京の歩みが分かる。現在まで長く親しまれる日本橋や浅草寺、東京駅などの名所も紹介している。

1890年浅草に建てられた展望塔で「浅草十二階」とも呼ばれた凌雲閣のれんが

 津田紘子学芸員は「東京は何万年もの間、人の生活が続いて、歴史が紡がれてきていることを実感してほしい」と来場を呼び掛けている。常設観覧料(一般六百円など)で観賞できる。月曜休館。問い合わせは、同館=電03(3626)9974=へ。

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