協力者の65%超が中高年 献血へGO!! 73回目の44歳記者が紹介

2021年9月23日 07時28分

食べ物や漫画などが置かれたハチ公前献血ルーム=いずれも東京都渋谷区で

 コロナ禍で献血する人が減り、輸血用の血液不足が懸念されているが、今や献血事業を支えているのは中高年世代だ。この20年、若者の献血離れが進み、年間協力者の65%以上は40〜60代が占める。44歳の私も大学時代からささやかに続けている。献血の楽しみ方を紹介したい。 (小嶋麻友美)
 向かったのは東京・渋谷駅に近い「ハチ公前献血ルーム」。事前に取材と成分献血の予約をお願いした。場所柄か、若い人や女性が多いように感じる。
 受け付けを済ませたらすぐ献血、ではない。まず健康状態や服薬などの質問にタッチパネルで答え、医師の問診と血圧をチェック。さらに採血検査で、血液の濃さが十分かを確認する。
 看護師によると、最終的に献血できるのは受け付けたうち九割程度。「体格のいい男性でも、朝から何も食べていないと、血管がしぼんで針が入らなかったりします」。厳重な基準は献血者自身の健康と、輸血を受ける患者のためだ。
 私はこれまで当日断られたことは一回で、この日も血漿(けっしょう)を提供することに。通算七十三回目。準備ができるまで待合室で過ごす。自販機のコーヒーやお茶、ジュースはすべて無料。献血前も後も水分補給が大切だ。

献血をする小嶋麻友美記者

 呼び出しブザーが鳴るといよいよ採血。「今日は二回転いただきますね。四十分ほどみてください」と看護師さん。成分献血は血液を採るのに約十分、赤血球を返すのに約五分の往復で一回転。私はたいてい二〜三回転だが、体重が多い男性などはもっと多く、時間もかかる。
 太い採血針が血管に入る瞬間は痛い。ただ、問題がなければ痛みは続かず、眠ってしまうことも私はある。赤い血液が管の中を勢いよく走り、機械で分離されて血液バッグに黄色い血漿がたまっていく。
 「お変わりありませんか」。看護師さんが時折、様子を見に来て気遣ってくれる。テレビを見たり、雑誌を読んだりしているとあっという間。最後に血圧を再測定し、気分不良を防ぐため足首の曲げ伸ばしをしてから、ベッドを下りる。
 献血の後はいつも少し眠い感じだ。待合室でお茶などを飲みながら、十五分ほどのんびり過ごす。採血後にもらえるアイスクリームやクッキーも楽しみの一つ。「ちょっといいことした」という満足感も加わって、爽やかな気分でルームを後にした。
 このルームで週一回、ボランティアで事務をする世田谷区の湯浅弘子さん(87)は、二十代から上限の七十歳の誕生日前月まで献血を続けた。「これくらいしかお役に立てないわと思って」。会社帰りや外出のついでに立ち寄ったという。
 私もそんな感じだ。初回は二十歳の時。当時、アイスやお菓子を食べながら雑誌が読めて、図書券までもらえたのが学生には魅力だった。「無償献血」の徹底で図書券などのお礼の品は見直されたが、その後も思いつくと献血に出掛けた。最近はウェブで予約できて便利だ。
 東京都赤十字血液センターによると、中高年が近年多いのは約三十年前まで盛んだった高校献血の影響だという。若い世代の獲得に力を入れるが、「血液の質などに年齢差はない。すべての年代の方にご協力をお願いしている」と担当者は言う。
 献血後は毎回、γ(ガンマ)−GTPやコレステロールなど十五項目の検査結果が知らされ、体調管理にも役立つ。そもそも健康でなければ献血はできないことをあらためて実感した。健康に感謝しつつ、これからも息抜きついでに血を抜きに行こう。
<献血の種類> 血液をすべて提供する全血献血と、血漿や血小板だけを提供する成分献血がある。全血は400ミリリットルか200ミリリットルで、400ミリは体重50キロ以上であることが条件。成分献血は採血後、機械で分離して赤血球などは体内に戻すため、体への負担が全血より少ない。手術や治療に使う輸血用製剤になるほか、血漿からは免疫グロブリンなどのタンパク質を抽出し、薬がつくられる。
※コロナ感染者やPCR検査の陽性者でも、一定期間が経過すれば献血できる。詳しくは日本赤十字社のホームページで確認を。

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