酒々井学(しすいがく) 子どもが学ぶ民主主義 地域学習+主権者教育

2021年9月24日 07時34分

実際の投票箱、投票用紙で模擬選挙に臨む児童たち=ともに酒々井小学校で

 酒々井町は独自の方法で、小中学生に民主主義の仕組みを学ばせている。三年生以上の各学年教科に導入した「酒々井学(しすいがく)」で、地域についての基礎知識を高めていくとともに、町政課題などをテーマとした模擬選挙と議会活動を最終学年の児童生徒に体験させることで、主権者意識を育む。(堀場達)
 本年度の模擬選挙は、九日に酒々井小学校の三学級、十日に大室台小学校の二学級で行われた。夏休み中に全児童が町の生活環境の現状や改善点を調べ、各自が「酒々井町への願い」と題した要望をシートにまとめて発表。児童一人一人が最高評価を下した発表内容の提案者に投票し、模擬議会に議員として参加する学級代表を選んだ。
 小学六年生は毎年夏休み前に、行政による街づくり施策を学ぶ。
 今回は七月に図書館と文化ホールの複合施設「プリミエール酒々井」の構想から完成までの過程を町職員らが講義した。子どもたちは、この授業を参考に、それぞれの課題調査へ乗り出した。
 酒々井小では、六月に隣の八街市で発生した児童五人死傷事故の衝撃が大きかったためか、通学路を中心に交通安全を要望する発表が目立った。写真や図で危険とみられる場所を具体的に示して「ガードレールを付けてほしい」「カーブミラーを設置しては」などと提言していた。
 駅前商店街の振興策や、環境保全、地球温暖化対策についての発表も多かった。各教室での発表に続いて、児童たちは多目的教室に移動、実際の選挙用の投票箱や投票用紙を使った模擬選挙に臨んだ。

夏休みを利用した調査結果の発表

 同小六年生のうち、ごみ投棄の多い場所を指摘し、美化活動の推進を提言した二組の和泉群(ぐん)さん(11)は「同級生の提案では、公園に木陰などグリーンカーテンを設ける発表が気になった」と話した。
 三組の細川瑛斗(あきと)さん(12)は国道51号で信号機が未設置の場所の危険性を訴えた。早朝の登校時や夕刻の下校時に通学路の一部が暗く見通しが悪いため、街路灯の設置を要望した同級の渡部(わたべ)美優さん(12)は「実は父が小学生の時も暗くて気掛かりだったそう。いい機会だと取り上げた」と明かした。
 一方、酒々井中学の三年生については、全員に町への要望書を書かせ、社会科の教員らが代表十人を選抜する。模擬議会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年に続き中止されるが、十五人の意見は町長に伝えられ、答弁書という形で書面回答される予定だ。

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