署名代筆アルバイト集めに350万円渡し「極秘で」 冒頭陳述で経緯明らかに リコール署名偽造事件

2021年9月24日 22時33分
 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件。24日、名古屋地裁で行われた初公判の冒頭陳述で、検察側は田中孝博被告(60)が署名偽造を主導したと主張し、経緯や手口を詳しく述べた。
 冒頭陳述によると、田中被告は昨年9月下旬、署名が必要な数に届かないと考え、署名の偽造を企てた。
 スマートフォンで名簿販売業者や料金を調べ、次男の雅人被告(29)に愛知県在住者の名簿の購入を指示。同県稲沢市の名簿を買って内容を確認した上で、昨年10月6日、雅人被告に約80万人分の名簿を533万円で購入させた。原資はリコールの会の口座から引き出した800万円だったという。
 「名簿は極秘でお願いします」。田中被告は、名簿データをリコールの会のスタッフにメールで送信。署名簿の様式に合わせ、生年月日を西暦から和暦に書き換えるよう依頼した。
 署名を偽造する人を集める際には、広告関連会社の社長だった山口彬被告に「署名の代筆をする人集めをお願いしたい」と頼んだ。アルバイトを手配した山口被告に費用の一部として350万円分の小切手を渡した。
 田中被告はその後も、リコールの会の口座から750万円を引き出し、山口被告に700万円を払った。
 さらに検察側は、田中被告が命じたとされる偽造の方法も詳細に示した。雅人被告に名簿データを印刷した紙などを佐賀市内まで運ばせ、10人分を記載できる署名簿に6、7人の名前を書き写し、土曜や日曜の日付を多めに書かせることを雅人被告を通じて指示。偽造した署名は雅人被告らが名古屋市熱田区の熱田生涯学習センターなどに運び、指印を押した。
 署名簿を仮提出した後の同年11月11日には、雅人被告に架空の会社の従業員を名乗らせ、名古屋市内の廃棄物処理業者で署名偽造に関わる書類を破砕処理させた。

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