「奇跡のような巡り合わせ」海流調査のビン 37年ぶりにハワイで9歳少女が発見 千葉の高校生放つ

2021年9月25日 11時30分

(右下から時計回りに)海流調査のビンの中から37年ぶりに回収され3か国語で書かれたはがき、父親のジョンさんからの手紙、発見の様子を伝えるハワイの新聞=千葉県銚子市の県立銚子高校で

 千葉県立銚子高校(銚子市)の生徒たちが37年前、銚子沖から太平洋に投じたガラスの瓶が、今年6月、約6000キロ離れた米国ハワイ州で見つかった。現地の少女が拾い、瓶に入っていたはがきは、地元の新聞社などの協力で同校生徒たちに届けられた。関係者たちは「奇跡のような巡り合わせ。とてもうれしい」と、時空を超えた縁を喜ぶ。(堀場達)

◆51本目の発見

 瓶はハワイ島の東海岸にあるパラダイスパークで6月20日、地元のアビー・グラハムさん(9つ)が見つけた。瓶の中には「1984年7月に銚子沖で放流した」と書かれ、拾得した場合に日時などを記入して返信を依頼する日、英、ポルトガル語のメッセージが入っていた。
 瓶は太平洋の海流の動きを調べる目的で、同校の自然科学クラブの生徒らが用意し、84年と85年の各10月に海上保安庁の船から黒潮帯に放った計750本のうちの1本。これまでに中国広東省、フィリピン、グアム、米国西海岸などに50本が漂着したとの連絡が寄せられている。2002年に鹿児島県の喜界島で50本目が見つかって以来の漂着連絡となる。

◆「娘にとって貴重な経験」

 02年当時、顧問を務め、現在は教頭の林潤さん(54)は「50本で最後だろうなと思っていた。20年近くたってまた見つかるとは。不思議な引き合わせのような気もする」と笑顔を見せる。
 アビーさんの返信は、9月に入って、父親のジョンさん(44)の「娘にとって人生の貴重な経験をさせていただいた」という手紙が添えられ、同校に届いた。
 同校の自然科学クラブは07年に廃部となった。瓶を利用した海流調査は環境破壊につながる可能性があるとして、現在は行われていない。1984年当時、部員だった神田(旧姓新行内)まゆみさん(54)は今回の返信を知り、林さんに「37年の月日は私たち人間にとってとても長い一方、地球や自然の規模を思い、その大きさ、不思議さにあらためて感動した」とメールを寄せた。

◆大漁旗のミニチュア

 同校は感謝の気持ちを伝えようと、生徒代表が英文の手紙をしたため、銚子を象徴する大漁旗のミニチュアなどと一緒にグラハム家に送った。

感謝の気持ちを込めてハワイに送る、イラスト入りの英文の手紙、記念品を手にする(左から)山口明日香さん、八角希美さん、林潤教頭=千葉県銚子市の県立銚子高校で

 ハワイの新聞に「おすしを食べたい」というアビーさんのコメントが載っていたことから、2年生の八角希美さん(16)がしたためた英文の手紙に、2年生の山口明日香さん(16)が、すしのイラストや、アビーさんときょうだいのかわいらしい似顔絵を添えた。八角さんは「だれも拾わず、どこかになくなってしまうことだってあるのに、アビーさんに瓶を見つけてもらった巡り合わせへの気持ちを手紙に託した」と話した。

関連キーワード

PR情報

東京の新着

記事一覧