東京都の重症者、なお「第4波超え」 途上国にワクチン追加提供表明

2021年9月26日 06時00分
<コロナ1週間・9月18~24日>
 新型コロナウイルスの患者の病床使用率が改善し、今月末が期限の緊急事態宣言の解除も見えてきた。それでも東京都の重症者数は、今春の「第4波」を上回っており、専門家は警戒を緩めていない。

◆感染状況

 東京都の1週間(18〜24日)の新規感染者の1日平均は469人。6月29日以来、約3カ月ぶりに感染指標「ステージ4(感染爆発)」を脱した。神奈川は23日、埼玉と千葉の2県は22日にステージ3に下がった。
 4都県の新規感染者数は新たな緊急事態宣言の解除基準「2週間ほど継続して安定的に下降傾向にある」を満たす。宣言解除で重視する病床使用率も四都県とも、重症者用を含めて50%未満になった。
 重症者数も減っている。東京は8月28日に297人にまで増えたが、今月24日は139人と半分以下に。ただし、第4波ピークの86人(5月12日)の1.5倍の水準だ。国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は24日、冬季に感染が再拡大することを懸念し、「陽性者のさらなる減少が必要だ」と訴えた。(小坂井文彦)

◆ワクチン

 菅義偉首相は23日、米国主催の「新型コロナサミット」でのビデオ演説で、途上国などに提供しているワクチンを約2300万回分から上乗せし、計約6000万回分とする方針を示した。外務省によると、提供済みのワクチンは国内製造したアストラゼネカ製だが、今後の種類は未定。アストラ製は国内では8月下旬から接種が始まり、接種記録システム上、約4万5000回にとどまっている。
 厚生労働省は22日、ワクチンに関する自治体向け説明会を開き、3回目接種のスケジュール案を示した。12月に医療従事者約百万人、来年1月には、高齢者らを含めた約300万人への接種を想定している。
 一般への接種が行われる場合でも、本格化は来年3月以降の見通し。同省は自治体に対し、2回目接種を終えた全員が対象になることを想定し、準備を進めるよう求めた。(清水俊介)

◆くらし経済

 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」がコロナ禍の長期化の影響を調べたところ、4人に1人にあたる24.5%がコロナの感染拡大前より「生活水準が低下した」と回答した。調査は6月下旬にインターネットで実施。世帯年収別では300万円未満が35.1%で、700万円以上は17.5%。年収が低いほど悪影響を受けたことがうかがえる。
 「向上した」は4.4%にとどまった。感染拡大を防ぐために政府が人々の行動を制限し、消費が低迷。飲食業や小売業で働く人の収入が減ったことなどが影響したとみられる。
 麻生太郎財務相は21日の記者会見で、政府の行動制限について「本当に必要で効果があったのか。ちょっと違うんじゃないかという感じはする」と持論を展開。専門家の意見を基に政府が決めた政策に、政府の一員が疑問を呈した。(渥美龍太)

PR情報

社会の新着

記事一覧