関東大震災直後の横浜を収めたアルバム 地元の史料収集家が海外サイトで落札 都市発展記念館で写真分析へ

2021年9月26日 07時11分

関東大震災から間もない時期の海岸通りを撮影した写真

 関東大震災(1923年9月1日)から間もない時期の横浜の中心部を撮影した写真37枚が見つかり、横浜都市発展記念館(横浜市中区)で分析されることになった。同館によると、外国人が集まる旧居留地(現在の関内地区)などを収め、震災の被害状況が分かる貴重な写真だという。(志村彰太)

山本博士さん

 写真を入手したのは、地元の土産菓子製造販売会社「三陽物産」社長で、横浜に関する史料を収集している山本博士さん(51)。山本さんは九月上旬、海外のネットオークションサイトで、大震災前後の日本を写した写真アルバム二冊が出品されているのを見つけ、約三万円で落札した。十四日に手元に届き、分析のために同館に預けた。
 アルバムには一九一三年〜六〇年代の写真六百六十七枚が収められ、震災前の青森、神戸、大阪などのほか、震災直後の横浜を撮った写真があった。出品者がサイトに書いた説明文などによると、後にスタンダード石油に吸収される「バキューム石油」の日本駐在技師だったジョージ・ハレットが、一四年に生まれた娘の成長記録として撮ったものといい、風景写真も多く撮影されていた。
 山本さんは「家族の成長記録ということで、購入するのはためらった。でも歴史的な調査に使い、横浜で保管されるなら、関係者も理解してくれるだろうと決心した」と話す。
 大さん橋に入港する船から撮った写真があり、吉田律人・調査研究員は「震災後に神戸から救援に来て撮ったか、救援に行った人から譲り受けた写真ではないか」と推測する。他には、がれきが積み重なる県庁周辺や、海岸通り、元町などの写真があった。

関東大震災後の横浜などを撮った写真が収められたアルバム=横浜市中区で

 現在の横浜駅方面で震災から十二日間続いたとされる石油タンク火災や、二三年九月十二日に旧陸軍が復旧に入った橋がまだ手付かずの状態で撮られていることから、吉田さんは「震災から日がたっていない時期の写真。文字資料では分からない被害状況が記録され、重要な資料だ」と語る。
 同館は青森や大阪などを撮った他の写真も貴重とみて、それぞれの専門家で分析を進めたいという。来年以降、同館で展示することを検討している。

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