<各駅停車>山車曳かれずとも

2021年9月26日 07時12分
 コロナ禍さえなければ、本番までひと月を切ったこの時期は笛や太鼓を稽古する音色が路地のあちこちで聞こえてくるのだろう。川越市最大の風物詩、三百七十年以上の歴史を誇る「川越まつり」が二年連続で中止。川越に八月に着任したばかりの記者は、その生の迫力をまだ知らない。
 少しでもまつりを知ろうと訪れたのは、蔵造りの街並みの一角にある川越まつり会館。猩々(しょうじょう)の人形をてっぺんに載せた八メートル超えの山車(だし)は、丸広百貨店が一九九〇年に建造し、二〇〇二年に市に寄贈したもの。まつりでは各町内の山車と同様、街に出て曳(ひ)かれるが、この秋も会館の外に出ることはない。
 まつりなき秋の楽しみ方は、そぞろ歩くうちに偶然見つかった。各町内は山車をまるごと収める保管庫を保有。頑強な壁の一部をガラス張りにして街行く人が見物できるように工夫されている。ウオークラリーさながらに、山車巡りをするのも一興かと思う。(武藤康弘)

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