松戸のNPO コンゴに「防災学校」設立 災害の備え身に付けて 火山噴火で犠牲者 模型で溶岩からの避難学ぶ

2021年9月26日 07時12分

火山の模型を使い防災の授業をする中村さん(右)。写真は桜島の退避壕

 途上国の教育支援に取り組む松戸市のNPO法人「なかよし学園プロジェクト」が八月下旬、五月の火山噴火で三十人以上が犠牲になったコンゴ(旧ザイール)に「防災学校」を設立した。現地で授業を行った代表の中村雄一さん(43)は、繰り返される火山被害を前に「災害への備えを身に付けて」と呼び掛けた。(牧田幸夫)
 コンゴ東部のニーラゴンゴ山が噴火したのは五月二十二日。中村さんは昨年末から今年一月にかけて同国を訪問し、コロナ禍で不足している布マスク三千二百枚を届け、子どもたちに感染予防の出前授業を行っていた。噴火で現地の知人から「溶岩が押し寄せ、街がパニックになっている」と噴火直後の動画が送られてきた。ふもとの街は溶岩にのまれ、四十万人以上が避難したとされる。

コンゴに防災学校を設立した中村さん

 夏の再訪を予定していた中村さんは、この山が約二十年に一度の頻度で噴火し、毎回多くの死者を出していることから、災害に備える日本の「防災」を伝えることを思い付いた。知識を深めようと、日本での準備では雲仙・普賢岳の大噴火を経験した長崎県島原市で専門家の助言を受け、鹿児島市では日本一と評される桜島の防災訓練に参加した。
 中村さんは八月二十二〜二十九日の日程で現地に入った。防災学校は、ニーラゴンゴ山の火口から南に約十五キロの都市ゴマにある「少年兵更生学校」の一室を間借りして設置した。
 授業では紙粘土で作った火山の模型に、重曹とクエン酸を混入して泡を吹かせ、噴火と溶岩の流出を再現した。「溶岩に巻き込まれて亡くなる人は後を絶たない。どこにいれば安全か、流路を予想することが大事」と教えた。また桜島にある退避壕(ごう)などの防災施設や避難訓練の様子を写真で紹介した。

中村さんの帰国後、日本の防災への取り組みを紹介する写真が貼られた教室で授業を受けるコンゴの子どもたち=コンゴ・ゴマで(いずれも中村さん提供)

 授業の様子は動画に収められ、中村さんの帰国後は、知人や更生学校のスタッフが講師役を引き継ぎ、子どもらに教えている。
 「なかよし学園プロジェクト」では、噴火直後から会員制交流サイト(SNS)と街頭で募金活動を開始。これまでに二百三万円を現地に送ったほか、避難民キャンプや病院に日本で寄付を呼び掛けた衣類千着、マスク四千枚、非常食のカップ麺などを届けた。
 防災学校の今後について中村さんは「洪水への備えも取り上げたい」と話し、自然災害の多い日本の防災対策のノウハウを幅広く伝えていく。

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