「Max」ありがとう 2階建て新幹線 間もなくラストラン

2021年9月27日 07時07分
 上越新幹線に最後まで残っていたオール2階建て新幹線「E4系」が、10月1日の定期運行で引退する。「Max」の愛称で知られる大きな車体に大人も子どもも胸を躍らせ、見晴らしの良さが大人気だったが、これで日本から2階建て新幹線は姿を消すことになる。JR東日本はE4系の乗車イベントを開くなどラストランを盛り上げている。

2階席から真剣な表情で外の景色を見つめる子ども

 「大きい」「早く動かないかな」。十八日、JR上野駅の新幹線ホームに停車したE4系の車内は、子どもの歓声があふれた。
 JR東日本は、E4系の引退に向けてさまざまなイベントを企画している。この日は小学生親子を対象にした乗車体験が開かれ、十二組二十四人が参加した。
 上野駅からE4系の回送列車に乗って、北区・田端駅近くの新幹線車両センターへGO! 同センターでは車体洗浄機を通過したり車内放送を体験した。

乗車体験したよ~

 E4系の特徴は、二階席からの見晴らしの良さだ。車高は約四・五メートルで一階建ての新幹線より一メートルほど高い。車窓からは、都会ではビル群を、田舎では雄大な田園風景を楽しめる。
 足立区から小学校二年生の長男(7つ)と参加した会社員佐藤礼子さん(40)は「他の新幹線を上から見下ろせるのはMaxだけ」と語る。
 一方、一階席からはホームを見上げるような格好になり、モグラ気分を楽しめる。
 息子と岐阜市から参加した会社員の田口寛和さん(40)は「自由席は隣の人とヒジがぶつかりそうになるほど狭いが、そんな新幹線は他にはない。座席を選ぶ楽しさもE4系の魅力」と惜しんだ。

車両、大きいね(東京新幹線車両センターで)

2階席、眺望よし

1階席、モグラ気分

 日本初のオール二階建て新幹線は一九九四年にお目見えしたE1系。E4系は、その二代目として、九七年に東北新幹線で運転を開始。二〇〇一年五月からは上越新幹線にも導入された。
 一二年までは山形新幹線「つばさ」と連結した「Maxやまびこ」として、〇一年から〇三年までは長野新幹線の東京−軽井沢間を結ぶ臨時「Maxあさま」としても活躍した。
 現在は上越新幹線で「Maxとき」「Maxたにがわ」として運行している。
 E4系登場の背景には新幹線通勤のための輸送力アップがあった。十六両編成で運転した場合の座席定員は千六百三十四人で、世界最大の輸送量を誇る。
 鉄道ファンを魅了したE4系だが、近年は車両の老朽化が進んだ。最高速度は時速二百四十キロにとどまり、輸送の効率化も課題となっていた。
 JR東は新型車両「E7系」への置き換えを進めており、E4系は本来なら今年三月のダイヤ改正で引退予定だった。
 ところが、一九年十月の台風19号で北陸新幹線のE7系が水没。上越新幹線に投入予定だったE7系を北陸新幹線に割り当てたことで、約半年“延命”した。
 JR東日本新潟支社の公式インスタグラムでは、ハッシュタグ「#Max思い出エピソード」で思い出を募集中。ファンがメッセージや写真を寄せ、別れを惜しんでいる。
 文・砂上麻子/写真・笠原和則、佐藤哲紀
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

関連キーワード

PR情報

TOKYO発の新着

記事一覧